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USACO NEWS/ユサコニュース

「ユサコニュース」では創刊以来、国内外の学術・研究情報に関するトピックスを月1回お届けしています。

2011年08 月

第220号 CrossMark:文献の更新状況の確認手段

目次

CrossMark:文献の更新状況の確認手段 Share (facebook)

学術文献の出版後,誤植,改訂のため訂正や撤回が行われても,読者が気付かずに利用・引用し続けることがある。訂正や撤回は,スペルミス,著者名の誤り,間違った数値などの他に,不正行為によるものなど多岐に渡るが,重大な誤りがあった場合には以降の研究や医療行為に深刻な影響をもたらす可能性がある。論文の撤回は増加傾向にあり,Thomson Reutersのデータを分析したTimes Higher Educationの記事によると過去20年間で10倍以上になったことが報告されている。インターネット上では,まだ編集が必要な文献がアップされている場合や,同一の文献が複数のデータベース上に存在し,すべてがメンテナンスされない場合がある。電子ジャーナルではコンテンツの信頼性を高めるために,論文更新の有無を明記していることもあるが,プラットフォームによって記載方法が違っているため,研究者がその存在に気がつかない場合もある。

 こうした状況を踏まえ,出版社国際リンキング連盟(PILA)が運営するCrossRefは,更新情報を確認するアイコンを文献に付与するCrossMarkの試行を開始している。このサービスでは,文献に付与されているCrossMarkロゴをクリックすると,ポップアップが開き文献の更新状況が表示される。研究者は文献にロゴがあれば,出版機関がメンテナンスしているものと認識し,文献の更新状況を確認ができる。最新のバージョンではない場合,ポップアップには該当文献には最新版が存在するというコメントが表示され,そこに表示されているURLから出版機関の最新のフルテキストにリンクする。出版機関は,コンテンツにメンテナンス状況を表示することで,信頼性を向上させることができる。ポップアップ上には,更新状況に加え,研究資金の情報や出版機関の訂正と撤回のポリシー,などが表示できる。CrossMarkロゴは,HTMLやPDF版の文献のほかに,サーチエンジンなどの検索結果に付与することも検討されている。また,リンクリゾルバーがCrossMarkのメタデータを取得し,中間窓に表示することも考えられている。

 今では主要学術出版機関の多くがCrossRefに参加し,CrossRef DOI(CrossRef Digital Object Identifiers)をコンテンツに付与している。参加出版者のCrossMark対応は任意で,導入する場合はコンテンツのメンテナンスを継続的に実施しCrossMarkのメタデータを最新に保つことが求められる。利用料金は,過去2年間に発行された文献は20セント,過去2年間より以前に発行された文献は2セントとなる。

 現在,Oxford University Press,Royal Society,Wiley,Elsevierの4社がパイロットプログラムで試験的にCrossMarkを運用している。文献の刊行後の変更を読者に伝える仕組みが標準化され,DOIと同様に学術コミュニティーに認知されることの意義は大きいだろう。

・CrossMarkウェブサイト
http://www.crossref.org/crossmark/index.html,(accessed 2011-8-31).

・LEARNED PUBLISHING2011年4月号“Distinguishing published scholarly content with CrossMark ”
http://www.ingentaconnect.com/content/alpsp/lp/2011/00000024/00000002/art00002,
(accessed 2011-8-31).

・CrossMarkスライド“CrossMark for Affiliates”
http://www.slideshare.net/CrossRef/crossmark-for-affiliates,(accessed 2011-8-31).

2012年度:外国雑誌価格値上がり動向 Share (facebook)

2012年度の外国雑誌予約シーズンを前に,現時点で判明している主要出版機関別の値上げ状況(外貨ベース)を報告します。タイトル選定,予算計画の参考資料としてご利用ください。

◇American Medical Association ・・・Print Only: 19% (※1)
◆American Society for Cell Biology ・・・3%
◇American Society for Microbiology ・・・4%
◇American Society for Pharmacology and Experimental Therapeutics ・・・ - (※2)
◇American Society of Clinical Oncology ・・・
Print Only: 4%
Print + Online, Online Only Tier 1-3: 3%
Tier 4: - (※3)
◆Endocrine Society ・・・
Tier 1-3: 3%
Tier 4: 値上無し
◇FASEB Journal ・・・2%
◇John Wiley and Sons ・・・6%
◇Journal of Biological Chemistry ・・・4%
◇Journal of Bone and Joint Surgery ・・・
British Vol., Print + Online: 6%
American Vol.: - (※4)
◇Journal of Immunology ・・・3%
◇Maney Publishing ・・・7%
◇Mary Ann Liebert ・・・17%
◆Proceedings of the National Academy of Sciences ・・・2%
◇Nature Publishing Group ・・・
本誌, 姉妹誌: 9%
Academic Journals: 8%
◆Portland Press Ltd. (Biochemical Society) ・・・7%
◇Royal Society of Chemistry ・・・8% (※5)
◇Journal of Leukocyte Biology ・・・1%

(※1) American Medical Association:
2012年よりPrint + Limited Onlineの提供がなくなり,Print Onlyまたは Site License (Online Only,個別見積) となります。Print + Limited OnlineからSite License に変更する場合は大幅値上の可能性があります。

(※2) American Society for Pharmacology and Experimental Therapeutics:
2012年よりPrint版の提供がなくなり,Online Onlyとなります。また,Tier制が導入されるため,値上率はご購読機関により異なります。

(※3) American Society of Clinical Oncology:
2012年よりPrint + Online,Online OnlyのTier 4は個別見積となり,大幅値上の可能性があります。

(※4) Journal of Bone and Joint Surgery:
2012年よりAmerican Vol. + British Vol. セットの提供がなくなり,別々にご購読が必要となります。また,American Vol. は Print incl. Onlineがなくなり,Print Only,Site License (Online), Site License (Online) + DDP (Print) となります。

(※5) Royal Society of Chemistry :
2012年よりPackage A, Package A+ はChemical Scienceが含まれるようになったため,20%の値上となります。

 上記以外の出版社の値上りについては,情報を入手次第,ご案内させて頂きます。

【注記】
 ◆印は,弊社の総代理店誌です。
 タイトルを複数提供する出版機関については,値上率の平均値となります。あくまで目安としてご参照ください。

Cell Press:オープンアクセスジャーナル Cell Reports を創刊 Share (facebook)

Cell Pressは,オープンアクセスジャーナル “Cell Reports”を2012年1月に創刊する予定です。Cell Reportsで掲載されるのは,生命科学全領域についての論文になります。主に "Reports" と呼ばれる短めの論文が掲載されます。オンラインのみで提供され,冊子体は発行されません。ジャーナルの運営資金は著者からの投稿料によって賄われ,金額は1論文に付きUSD 5000.00です。

 著者の希望により論文は,クリエイティブコモンズの以下のライセンス「CC BY 3.0:表示 3.0 非移植」もしくは「CC BY-NC-ND 3.0:表示 - 非営利 - 改変禁止 3.0 非移植」が適用されます。

 ・Creative Commons Attribution 3.0 Unported Licence (CC BY 3.0:表示 3.0 非移植)
  http://creativecommons.org/licenses/by/3.0/deed.ja

 ・Creative Commons Attribution-Noncommercial-No Derivative Works 3.0 Unported Licence
(CC BY-NC-ND 3.0:表示 - 非営利 - 改変禁止 3.0 非移植)
  http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

詳細は弊社までお問い合わせください。

・Cell Reportsウェブサイト
http://www.cell.com/cell-reports/home

Thieme Publishing Group:オープンアクセスジャーナル AJP Reports を創刊 Share (facebook)

2011年7月,Thieme Publishing Group は新たなオープンアクセスジャーナル "AJP Reports" を創刊したことを発表しました。

 AJP Reports は "American Journal of Perinatology(AJP)" の姉妹誌であり、対象とする領域は,新生児学,母体胎児医学です。AJP に投稿されたすべての症例報告が AJP Reports に掲載され,無料で提供されます。

 AJP Reports のチーフエディターの George R. Saade 氏は「症例報告は臨床医が珍しい症例,特異な症例に直面した際、最も利用されるものと確信しています。こうした状況を踏まえ,AJP Reports はだれでも読むことができるオープンアクセスジャーナルとして提供されます。」とニュースリリースの中でコメントしています。

 提供形態はオンラインジャーナルと冊子体で、冊子体は年2回発行され、AJP の冊子体購読者に送付されます。

・Thieme Publishing Groupウェブサイト
http://www.thieme.com/index.phppage=shop.product_details&flypage=flypage.tpl&product_id=1274&category_id=25&option=com_virtuemart&Itemid=53

Wiley-Blackwell:震災復興支援で雑誌論文の一部を無料公開 Share (facebook)

Wiley-Blackwellでは,震災後の復興支援と今後の災害対策のため,雑誌論文の一部を2011年12月末までオンラインで無料公開しています。無料公開の対象は、以下の主題を扱う論文です。

 ・地震・津波 に対する防災対策および災害監視
 ・放射線の短期的・長期的健康リスク
 ・地震・津波等の天災を原因とする外傷性ストレス障害(PTSD) への対処

・Wiley-Blackwell 震災復興支援のお知らせ
http://as.wiley.com/WileyCDA/Section/id-610959.html
・Wileyホームページ
http://www.wiley.co.jp/

CHEST:リプリント取り扱いのご案内 Share (facebook)

 弊社は,米国胸部内科学会(ACCP:American College of Chest Physicians)と,当学会の公式誌であるCHESTの日本国内における論文リプリントの取り扱いについて,総代理店契約を締結しました。年間12回発行されるCHESTと,追加で発行されるSupplementに掲載された英語論文リプリントのほか,日本語翻訳リプリント,サマリー付きポケットホルダーの制作などを承っています。

 CHESTは,トムソン・ロイターが提供するJournal Citation Reportsに収録されている,呼吸器分野の46雑誌中で3番目に高いインパクトファクター(2010年度数値-6.519)を誇り,COPD,肺感染症,肺がん等,呼吸器に関わる広い領域をカバーしています。

弊社CHESTリプリント取り扱いのご案内
http://www.usaco.co.jp/products/chest/catalog/chest.pdf

トムソン・ロイター&杏林舎セミナー 2011開催のお知らせ Share (facebook)

トムソン・ロイターと株式会社杏林舎は,「学術ジャーナルの質の向上を考える」をテーマとしたセミナーを開催します。本セミナーは,トムソン・ロイターが提供するJournal Citation Reports,Web of Science,EndNote,ScholarOne Manuscriptsなどの製品やサービスが研究サイクルの中で,学術ジャーナルの質の向上に果たす役割を考えます。

<セミナー概要>
タイトル: トムソン・ロイター&杏林舎セミナー 2011
- 学術ジャーナルの質の向上を考える

日時:平成23年9月9日(金) 14:30-17:00 (受付開始 14:00)
場所:UDX GALLERY NEXT[ユーディーエックス・ギャラリーネクスト] (秋葉原)
プログラム:
 Journal Citation Reports,学術ジャーナルの評価を活用する
 Web of Science,ジャーナル間の影響を調査し編集に活かす
 研究者が利用するツールEndNoteが編集に与える影響
 評価システムとしてのScholarOne Manuscripts
主催:トムソン・ロイター,株式会社杏林舎
共催:ユサコ株式会社
費用:無料
申込み:以下のURLから手続をお願いします。
https://www.kyorin.co.jp/sem/

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