本文へスキップします。

H1

ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2016/05/31:第273号 2020年の学術出版技術トレンド
 

2020年の学術出版技術トレンド

 科学・技術・医学(STM)を中心とした主要学術出版者で構成される国際STM 出版社協会は,今後STM出版で予想される技術的なトレンドを視覚化したポス ターを2011年からほぼ毎年公開している。過去4回の版では次年の状況を予想 してきたが,今回は更に先の2020年を展望した。ポスターには副題として 「The Technology Floodgates are Open」と記され,技術の水門が開かれ混沌 とした海景が描かれている。技術トレンドの制作実行メンバーの一人,米国情 報標準化機構(NISO)のTodd Carpenter氏がScholarly Kitchen誌に寄稿した 解説記事を中心に概要を紹介する。

トレンドは以下の5層に分けて表現されている。

(1)技術 (Technology / ビッグデータと人工知能の出会い)
 この層が最下部に描かれ,技術進歩が今日の学術コミュニケーションの根底 を支えるということと,絶え間ない変化の流れの中にあることを示している。  
 技術進歩が研究者や利用者を後押しする可能性を広げ,同時に出版すべき 成果の幅を拡大させていることも指摘している。

(2)プライバシーとセキュリティ(Privacy and Security / データプライバシーには信頼網が必要)  
 技術層の上はプライバシーとセキュリティが描かれ,技術的な問題と出版者 の政策が混じり合っていることを表現している。
 セキュリティの確保は技術的なチャレンジであると同時に必要性や信頼, 出版者からの証明によって行われるべきものであり,著作権の侵害,法制度の 変更に対応していくことが出版者にとっての課題であるとしている。

(3)研究活動 (Research / ソーシャルマシーンとしての科学)  
 研究活動の進化が取り上げられ,研究データが成果として重要性を増してい ることや,埋め込みセンサーによる研究データの自動作成などが例とされている。

(4)利用者 (Users / 機械が新たな読み手)
 4層目は利用者に関連する動向が記されている。注目すべきは機械も人間と 同様に読者になるとしていることだ。今日の学術出版はデジタルの世界で行わ れており,もはや機械もコンテンツの読者として重視すべきで,今後増加の 一途を辿ると予測している。

(5)出版コミュニティー(Publishing / 利用者が中心の出版が正確な情報を提供)  
 PDFの提供に留まらず,利用者の行動や分析を基に,幅広いコンテンツの抽出 や組合せで研究者からの質問に意味のある答えを返す動的な出版(ダイナミック 出版)が始まると予想している。現状の検索では,利用者の質問トピックを含む 可能性のある文献がリストされるに留まるが,ダイナミック出版の環境では, 利用者の質問に対する答えそのものを得られるようになる。

 学術出版では,既に論文の剽窃行為を判定するため蓄積された論文のビッグ データと照合するシステムが使われている。今後は,進化を続けるAIが活躍の 場を広げ,論文の査読を担うような日が来るのだろうか。Carpenter氏は, 2020年に展望通りの状況を手に入れるために出版者は今からスタートすべき だと締めくくっている。

参考文献
・The Scholarly Kitchen: STM Future Trends 2020 provides publishers insights on the currents affecting them
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2016/05/05/stm-future-trends-2020-provides-publishers-insights-on-the-currents-affecting-them/ ,(accessed 2016-5-31)

・STM Tech Trends: Outlook 2020
http://www.stm-assoc.org/2016_04_11_STM_Tech_Trends_Outlook_2020.pdf ,(accessed 2016-5-31)

・STM Launches Tech Trends 2020: The Floodgates of Technology are Open!
http://www.stm-assoc.org/2016_04_28_News_Release_STM_Launches_Tech_Trends_2020.pdf ,(accessed 2016-5-31)

・小誌 第262号 今後の学術出版の技術トレンド
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=155&dispmid=605 Association of STM 

 

Henry Stewart Talks:新機能と新シリーズのご案内

 世界をリードする研究者の講義 (Talks) を提供するサービス: Henry Stewart TalksのThe Biomedical & Life Sciences Collectionに,新機能と新シリーズが追加されました。  

■新機能
 字幕付のすべての講義について,講義再生画面の下部にトランスクリプト(講義の音声をテキストに書き起こしたもの)が表示されるようになりました。先月追加された再生スピード調整機能と,こちらのトランスクリプト表示機能により,専門英語の教育・学習用教材として活用の幅が広がりました。

■新シリーズ
 今月は新シリーズ:Biology of the Eye が追加されました。
https://hstalks.com/bs/p/971/
Editors: Prof. Andrew Lotery from the University of Southampton

 また,先月リリースされたシリーズ:Statistical Geneticsには4個の講義が追加されました。その他,3つの既存シリーズ(Evolutionary Physiology/ Microbiota and Advances in Asthma/ Skin Biology)にそれぞれ1個の新しい講義が追加されました。

 詳細については弊社までお問合せください。  

・The Biomedical & Life Sciences Collection
https://hstalks.com/biosci/

・弊社Henry Stewart Talksホームページ 
http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_1_221.html

JoVE:Science Education新コレクションリリースのお知らせ

  JoVE Science Educationに臨床技能分野のClinical Skillsコレクションが6月15日(水)にリリースされます。このコレクションには視診,触診,打診,聴診など普遍的な概念を説明したEssentials of Physical Examinations Iと,頭部・目・耳・鼻・喉頭検査のための方法論を紹介するEssentials of Physical Examinations IIが収録予定です。現在,3つのサンプル動画が公開されています。

Clinical Skillsページ
http://www.jove.com/science-education/clinicskills

JoVEホームページ
http://www.jove.com/

弊社JoVEホームページ
http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_1_673.html

NVivoとEndNoteのオンラインセミナーのお知らせ

  これまでNVivoとEndNoteの連携によるメリットに焦点を当て定期的に開催している無料オンラインセミナーの次回の予定をお知らせいたします。

・概要:文献管理・論文作成支援ツールとして世界中の研究者に愛されるEndNoteと,質的研究・定性調査を支援するNVivoを組み合わせることで文献レビューのプロセスを効率的に進める方法を,ソフトウェアのデモンストレーションを交えご紹介します。 チャットでの質問もできるインタラクティブなセミナーです。

・日時:6月21日(火) 午前11時~午前12時
・お申し込み:http://www.nvivo.jp/site/nvivo-events

 ※本セミナーはNVivoの開発元QSR International Japanとの共催です。 皆様のご参加をお待ちしております。

展示・セミナーのご案内
日時 展示・セミナー名 会場
2016年6月2日(木)~6月4日(土)

第112回日本精神神経学会学術総会

幕張メッセ
2016年7月9日(土)~7月10日(日)

Best of ASCO in Japan

東京ビックサイト「国際会議場」
2016年7月28日(木)~30日(土)

第14回日本臨床腫瘍学会学術集会

神戸国際展示場・神戸国際会議場

ユサコニュース一覧に戻る