電子ジャーナルやデータベースなど,図書館が提供する電子情報資源を一元
的に管理する方法,すなわちElectronic Resource Management(ERM)に
ついては,米国の図書館や図書館システム開発ベンダーなどで構成される
コンソーシアム,Digital Library Federation(DLF)がElectronic Resource
Management Initiative(ERMI;電子情報資源管理イニシアチブ)と称する
プロジェクトを発足させ,2002年,スタンダードの作成に着手した(本誌第140
号参照)。その後,ワシントン大学のティモシー・ジュエル氏を中心とした
DLF/ERMIのメンバーは2004年8月,約2年に及ぶ活動内容をまとめた活動
報告書を提出している。
Ex Libris社はDLF/ERMIの活動報告書提出から1年を経た本年9月,この
活動報告書を開発方針として本格的に採用したElectronic Resource
Management System(ERMS;電子情報資源管理システム)として,Verdeを
リリースした(本誌本号参照)。
ERMSが担う重要な機能として,図書館とベンダー間でのライセンス情報
および利用統計情報の共有が挙げられる。この2つの領域については,DLF/ERMI
の活動報告書提出後も,EDItEUR,COUNTER(後述)などを中心に,データ交換
フォーマットの策定を目指した努力が続けられている。
書籍や雑誌業界の電子商取引や標準化を進めている国際団体であるEDItEUR
は,ONIXと称するXMLスキーマを策定し,すでにオンライン書店が書籍の電子
商取引に採用している(ONIX for Books)。EDItEURは,新たに雑誌の購読情報
や所蔵情報の交換を目的としたONIX for Serialsの策定を目指し,米国情報
標準化機構(NISO)との間で作業部会を設けた。すでに,この作業部会はSerials
Products and Subscriptions(SPS),Serials Online Holdings(SOH),Serials
Release Notification(SRN)と称する3種類のアプリケーションメッセージを
ベータリリースしている。さらに作業部会では本年8月,ライセンス情報流通
のためのXMLスキーマであるONIX for Licensing Termsの草案を発表した。
EDItEURの動きと平行して,前述のDLF/ERMIでもライセンス情報流通のため
のフォーマット策定を目的としたイニシアチブを始動させている。EDItEURと
DLF/ERMIは異なる構成要員およびスケジュールのもとで活動しているため,
これまで活動を共にすることはなかったが,両者は今後,共同で作業部会を
設け,ライセンス情報流通のための共通のフォーマット策定を目的とした活動
を行っていく予定である。
オンライン情報サービスの利用統計フォーマットの国際的統一化を推進して
いるプロジェクト,COUNTER(Counting Online Usage of Networked Electronic
Resources)は,国際標準仕様「Code of Practice Release 1」を発表し,
すでに約40の大手出版社やベンダーの多くが採用している(現行のRelease 1
に取って代わり,Release 2が2006年1月から運用される。本誌第154号参照)。
COUNTER準拠の利用統計については,フォーマットは統一されているものの,
その提供形態が出版社やベンダーごとに異なる点が指摘されていた。
本年7月,DLF/ERMIおよび図書館システム開発ベンダーが会合を持ち,ERMS
から,大手出版社やベンダーが提供するCOUNTER準拠の利用統計を自動的に
取得することを目的とした標準プロトコルの策定について協議を行った。
その結果,Webサービスを利用することが大勢にとって最善であるとの決定が
なされ,その後NISOに対しプロトコルの提案がなされた。この提案を受けてNISOは,
Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative(SUSHI)と呼ばれるイニシアチブを
始動させ,2006年初頭の仕様案公開を目指し,現在機能検証を行っている。
データ交換フォーマットの策定など,一連のERMによる標準化により,ERMSを
導入した図書館とベンダー間でのライセンス情報および利用統計情報の共有が
著しく簡素化されることが期待される。
<参考資料>
・Digital Library Federation: ERM Initiativeホームページ
http://www.diglib.org/standards/dlf-erm02.htm
・EDItEURホームページ
http://www.editeur.org/
・Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative(SUSHI)ホームページ
http://www.library.cornell.edu/cts/elicensestudy/ermi2/
| Ex Librisはこのたび,電子情報資源管理システム(ERMS;Electronic Resource Management System),「Verde」をリリースしました。 | ||
電子情報資源の全般的な管理を実現するために開発されました。
図書館業務における,電子ジャーナルをはじめとする電子情報資源の占有率
は増加の一途をたどっており,選択,評価,収集,維持,更新/キャンセルと
いった業務を効率的に遂行するためのツールが求められてきました。
Verdeはそのような状況に対応すべく,電子情報資源のライフサイクルに
合わせた管理を実現し,図書館のコレクション形成における様々な決断に必要
なツールを提供します。
Verdeはスタンドアロン製品(独立したシステム)ですが,オープン・
アーキテクチャーに基づいており,Webサービスで他のアプリケーション
(総合図書館システム,リンクリゾルバ−)と連携します。
契約形態は年間購読契約で,価格は利用ライセンス数で算出されます。
なお,Verdeは全世界ですでに12機関に導入されています。
弊社ホームページのVerdeサイトも併せてご参照ください。
http://www.usaco.co.jp/products/ex_libris/index.html
アクセスジャーナル「PLoS Clinical Trials」を2006年5月に創刊すると発表
しました。PLoSにとって6誌目のオープンアクセスジャーナルとなります。
ランダム化臨床試験分野にPLoSによるオープンアクセスが選択肢として加わる
ことにより,今後のEBM分野の更なる発展が期待されます。
・PLoS Clinical Trials
http://www.plosclinicaltrials.org/
| ebraryが提供する実績あるオンラインブックプラットフォームが,機関向けのホスティングサービスとしても利用可能になりました。 | ![]() |
|
ebraryに搭載し,従来のサービス同様に利用者に提供することを可能とします。
現在,ebraryのプラットフォームは200以上の主要出版社からのコンテンツ
を収載し,700以上の導入機関,400万人以上のユーザーに利用されています。
OnDemandもebraryの「Dynamic Content Platform(DCP)」を使用しており,
オンラインでの文書閲覧を最適化する「ebrary Reader」や,Web上の情報と
各種データベースコンテンツとの連携を図る「InfoTools」による,高品位の
オンラインコンテンツ提供が可能となりました。
【図書館向け事例】
各図書館がPDF化して保有している学位論文,報告書などの様々な
コンテンツのアーカイブ,管理,インターネット共有機能を提供します。
これにより,人員やシステムを別途導入することなく,PDFデータベースの
構築が可能です。
【出版社向け事例】
出版社が現在公開しているWebの情報に,「電子サンプル」や「書籍内容の
一部参照」などの機能を付加することができます。また,定期購読,Pay Per View,
買い取りなど,様々なビジネスモデルに対応したオンラインサービスを提供
することが可能です。
【主要機能】
OnDemandの主要な機能は以下のとおりです。
・簡易PDF登録機能
あらゆるタイプのPDFファイル(印刷用,Web用などすべて)を簡易に
OnDemandプラットフォームに登録可能。
・投稿および配布のワークフロー拡張
・簡易メタデータ付与
PDFファイルを読み込み,それに含まれる作成者情報,検索キーワード,
目次情報,およびフルテキスト情報を自動的に登録する。
・複数の検索オプション
フルテキスト,キーワード,論理演算,類推の各検索が可能な独自の検索
エンジンに加え,各機関の検索エンジンとの統合検索が可能。
・InfoTools
外部Webサイトや検索エンジンなどに,文書内部から簡易にリンク可能。
また,OnDemandシステムに登録された他のコンテンツに対する汎用的な
アクセス手段も提供。
・利用統計
各ページ単位のアクセス統計を提供。
・ebrary eXtend API
ユーザー認証やページ参照のカスタマイズを行うためのプログラム的
インターフェースを提供。
・ebrary Reader
オンラインブックの参照/検索を最適化するブラウザ・プラグインツールを
提供。
<参考資料>
・ebraryニュースリリース,製品情報
http://www.ebrary.com/corp/newspdf/ebrary_OnDemand.pdf
http://www.ebrary.com/corp/techOnDemand.htm
・弊社ホームページ
http://www.usaco.co.jp/products/ebrary/technology.html
・Biotechnology Journal
・Chemistry: An Asian Journal
・ChemMedChem
・Contrast Media & Molecular Imaging
・Evidence Based child Health: A Cochrane Review
・Journal of Hospital Medicine
・Laser Physics Review
2006年のオンラインジャーナルのご利用とともに冊子体を希望される方は,
冊子体の送付も併せて受けることができます。
2007年からは有料となる予定ですが,2006年に無料利用をされた場合でも,
2007年の購読義務は一切ございません。
2006年分については永続的なアクセス権が生じます。
ご利用を希望される方は,弊社までご連絡ください。
する,医学・臨床医学・看護学・薬学関連の主要な200タイトル以上の
ジャーナルアーカイブへのアクセスが可能な「LWWジャーナルアーカイブ
コレクション」をリリースします。
LWWジャーナルアーカイブコレクションは,2003年以前のフルテキスト(※)
を提供します。買取契約のため,一度購入することにより次年度以降の購読
料金はかからず,永続的なアクセスが可能になります。
また,Journals@Ovidの高度な機能により,従来同様スムーズで効果的な
利用環境を提供します。
価格体系は,学術機関,病院,企業により異なります。詳細につきましては
お問い合わせください。
(※)遡及年は,Journals@Ovidの提供範囲となります。
New York Academy of Sciences」誌の出版事業で提携すると発表しました。2006
年1月から年28巻を出版することで合意に至っています。
同誌は1823年に創刊された米国で最も長い歴史を有する学術雑誌のひとつ
で,Annalsシリーズの現在のタイトル数は1,000を超えます。
記事の採択および編集は,同アカデミーが引き続き担当します。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.nyas.org/about/newsDetails.asp?newsID=204&year=2005
| 学術ジャーナルを初号から提供するジャーナルアーカイブ,JSTORは「General Science Collection」にヘルス・サイエンス系のタイトルを順次追加し,これを受けてコレクション名も「Health & General Sciences Collection」に変更します。2006年から2年間で,公衆衛生学関連の10〜15誌のタイトルを追加する予定です。 | ![]() |
|
追加が決定しているジャーナルの出版社は,The National Institute of
Environmental Health Sciences,Springer Science + Business Media,
Cambridge University Press, Lippincott Williams & Wilkinsなどで,
2006年には以下のタイトルが加わります。
・Cancer Causes and Control
・Environmental Health Perspectives
・Epidemiology
・Epidemiology and Infection
・European Journal of Epidemiology
このタイトル追加による利用料金の値上げはなく,従来の「General Science
Collection」の料金でご利用可能です。
詳細は以下のJSTORホームページをご参照ください。
http://www.jstor.org/about/gensci.list.html
「InfoRetriever」の提供元である米国InfoPOEM社が,米国Wiley社に買収
されました。これを受け,2005年12月31日をもちまして,弊社との代理店
契約が解消されます。
今後の取り扱いについては新たな情報が入り次第,本誌でお伝えします。
詳細はInfoPOEMsサイトのニュースリリースをご参照ください。
http://www.infopoems.com/news.html
| 医薬品総合情報を提供する出版社,PROUS SCIENCEは2006年3月1日と3日に,それぞれ東京と大阪でセミナーを開催します。 | ![]() |
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ルール・オブ・ファイブの提唱者であるC.A. Lipinski博士を
特別講演者として招待する予定です。
このほかにも情報担当者殿向けの有益な企画が検討されています。
プログラムの詳細が決まり次第,再度,本誌にてご紹介します。
【日程・場所】
<東京会場>
・日程:2006年3月1日(水)
・会場:東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区港南1-9-36 アレア品川内)
・交通:JR・京浜急行「品川」駅
<大阪会場>
・日程:2006年3月3日(金)
・会場:千里ライフサイエンスセンター(大阪府豊中市新千里東町1−4−2)
・交通:北大阪急行電鉄(地下鉄御堂筋線)「千里中央」駅
【参加費用】無料(昼食付)
お申し込みや詳細についてはお問い合わせください。
& Forum 2005)がパシフィコ横浜で開催されます。
弊社では本年も展示ブースを設け,学術情報管理ツールや臨床系データ
ベースを中心にご案内します。また,Ex Libris社の電子情報資源管理
システムである「Verde(ヴェルデ)」についてのフォーラム,および電子
ブックの統合プラットフォーム「ebrary」や臨床系データベース「STAT!Ref」
「SKOLAR MD」,および「Books@Ovid」のプレゼンテーションを行います。
【開催日時】
・日程:2005年11月30日(水)〜12月2日(金)
・会場:パシフィコ横浜 展示ホールC(フォーラムはアネックスホール)
【弊社出展製品】
・機関リポジトリ関連システム
・Ex Libris「Verde」,「MetaLib」,「SFX」
・JSTOR
・ebrary
・EndNote
・臨床系データベース,ほか
【弊社主催フォーラム】
「Verde(ヴェルデ):電子情報資源管理システム(ERMS: Electronic Resource
Management System)」
・日時:2005年12月2日(金)10:30〜12:00
・会場:パシフィコ横浜 第3会場(アネックスホール F204)
※本誌前号でご案内した会場から変更になりましたのでご注意ください
・講師:伊藤裕之(ユサコ株式会社)
・フォーラム概要:
「図書館業務における電子情報資源の占める割合は年々増加する一方であり,
従来の総合図書館システム(ILS: Integrated Library System)が提供する
機能だけでは管理が困難になりつつあります。図書館員の方々が抱える電子
情報資源管理の問題に対し,Ex Libris 社の電子情報資源管理システム(ERMS)
であるVerde(ヴェルデ)が,どのような解決策をご提案できるかご紹介いたします」
【弊社主催プレゼンテーション】
「電子ブック・データベース−ebrary,STAT!Ref,SKOLAR MD,Books@Ovidなど」
・日時:2005年12月1日(木)17:00〜17:40
・会場:展示会場内
・講師:菊本高典(ユサコ株式会社)
第7回図書館総合展の詳細は,JCCカルチャー・ジャパンのホームページを
ご参照ください。
http://www.j-c-c.co.jp/lf07.html
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