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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2019/11/28

健常および肥満の肝G6pcレポーターマウスにおけるSGLT2阻害剤の単回および長期投与に対する肝糖新生応答

論文タイトル
Hepatic Gluconeogenic Response to Single and Long-Term SGLT2 Inhibition in Lean/Obese Male Hepatic G6pc-Reporter Mice
論文タイトル(訳)
健常および肥満の肝G6pcレポーターマウスにおけるSGLT2阻害剤の単回および長期投与に対する肝糖新生応答
DOI
10.1210/en.2019-00422
ジャーナル名
Endocrinology
巻号
Vol.160 No.12 (2811–2824)
著者名(敬称略)
稲葉 有香、橋内 咲実 他
所属
金沢大学新学術創成研究機構栄養・代謝研究ユニット

抄訳

 ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2i)は、2型糖尿病患者の血糖値を持続的に低下させる。一方で、肝糖新生酵素遺伝子発現・肝糖産生を増加させることが報告されている。本研究は、肝糖新生応答に対するSGLT2iの作用、及びそのメカニズムを解明することを目的とした。
 肝糖新生応答の経時的モニタリングを行うため、肝糖新生酵素遺伝子であるG6pcのプロモーター制御により、分泌型ルシフェラーゼ(GLuc)が肝特異的に発現するレポーターマウスを作出した。本レポーターマウスに対し、SGLT2iの単回または長期投与を行い、肝糖新生応答を検討した。健常マウスへの単回投与は、血糖値・インスリンを低下させ、GLuc活性を上昇させた。自由摂餌下で、肥満マウスのGLuc活性は、健常時の約10倍に増強した。肥満マウスへの単回投与は、血糖値・インスリン値を低下させたが、GLuc活性には影響しなかった。健常マウスで認められた、インスリンの低下に伴う肝Aktリン酸化の減弱が、肥満マウスでは認められなかった。健常マウスへのSGLT2i長期投与は、GLuc活性を上昇させたが、肥満マウスでは、投与開始後3週間からGLuc活性を減少させた。この時、肥満マウスのSGLT2i群では、肝Aktリン酸化が、対照と比較し増強した。
  本研究により、1)健常マウスへのSGLT2iの単回投与による肝糖新生応答の増加が、肥満マウスでは認められないこと、2)肥満マウスへの長期投与は、インスリンシグナル伝達障害を改善させ、肥満誘導性の肝糖新生応答の増加を軽減させること、を明らかにした。

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