本文へスキップします。

H1

日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/06/24

2017年に北海道道央地域でマダニから分離されたダニ媒介性脳炎ウイルスの性状解析

論文タイトル
Characterization of tick-borne encephalitis virus isolated from a tick in central Hokkaido in 2017
論文タイトル(訳)
2017年に北海道道央地域でマダニから分離されたダニ媒介性脳炎ウイルスの性状解析
DOI
10.1099/jgv.0.001400
ジャーナル名
Journal of General Virology
巻号
Journal of General Virology Volume 101, Issue 5
著者名(敬称略)
髙橋 侑嗣、好井 健太朗 他
所属
長崎大学 感染症共同研究拠点 研究部門

抄訳

 ダニ媒介性脳炎はユーラシア大陸の広域で発生しているダニ媒介性の重要な人獣共通感染症です。日本では北海道において重症脳炎患者が発生し、疫学調査によって北海道を含む日本の各地で原因となるダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)が分布している可能性が示唆されていますが、北海道南部の一部地域以外からはウイルスは分離されていませんでした。
 今回、我々は札幌市付近の道央地域でマダニの捕集を行い、マダニからのTBEV分離を試みた所、札幌市内で捕集されたマダニからTBEVが分離されました。分離されたウイルス株の解析を行った所、以前に北海道南部で分離されたウイルス株とは異なる遺伝子グループに属する事が分かり、国内に複数回ウイルスが侵入している可能性が示されました。また病原性について解析した所、ウイルスの非構造蛋白領域の遺伝子の相違によって、脳内での病原性が影響を受ける事が明らかになりました。
 今回の研究成果は日本におけるTBEVの疫学的危険度を評価する上での重要な知見となるとともに、ウイルスの性状解析による予防・治療法開発の進展へとつながるものと考えられます。

論文掲載ページへ