抄訳
肺炎マイコプラズマのマクロライド系薬への耐性獲得は、適正な治療と診断を行う上で無視できない。分子学的手法は、本菌同定と本菌の薬剤耐性に関連する23SリボソームRNA遺伝子変異の同定の手段として期待されている。自動核酸検査システムであるジーンキューブ®マイコプラズマ・ニューモニエの薬剤耐性検出能を評価した。
変異型を模した合成オリゴヌクレオチドでの検証では、軽度耐性のA2067Gの判定に一部エラーを認めたが、高度耐性である2063位と2064位は再現性良く正しく判定できた。
臨床検体での検証では、9医療施設で収集された肺炎マイコプラズマ陽性の中咽頭検体から核酸を精製し、含まれる23SリボソームRNA遺伝子のサンガーシークエンス解析を行った。本システムは26.9%の検体を点変異ありと判定した。本システムで捉えた変異株はシークエンス解析でも全て変異型であり、2063位、2064位、2617位の変異がそれぞれ97%、3%、0%であった。
本システムは、臨床的に重要なマクロライド耐性肺炎マイコプラズマを信頼して同定できる検査法である。