抄訳
非定型大腿骨骨折(AFF)は非外傷性に大腿骨骨幹部に起きる骨折であり、アジア人での発症率が高く、遺伝要因の関与が疑われている。近年アレル頻度1%以下のレアバリアントが多くの疾患の発症に関わっていることが明らかになってきた。そこで、日本人AFF患者のエクソーム解析を行い、骨軟化症に関わる遺伝子群の有害なレアバリアント頻度を、日本人健常人と比較した。ENPP1 の有害なレアバリアント頻度はAFFで高く、骨軟化症の発症に関わる遺伝子群の有害なレアバリアント頻度もAFFで高かった。有害なレアバリアントを持つAFF症例は自己免疫疾患を伴っていなかった。これらの結果から、日本人では骨軟化症の発症に関わる遺伝子群がAFFの発症に重要な役割を果たしていると考えられる。