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2022/05/23

軽微な自律的コルチゾール過剰分泌(MACS)を併発する原発性アルドステロン症(PA)は腎合併症リスクが増加する

論文タイトル
Primary aldosteronism with mild autonomous cortisol secretion increases renal complication risk
論文タイトル(訳)
軽微な自律的コルチゾール過剰分泌(MACS)を併発する原発性アルドステロン症(PA)は腎合併症リスクが増加する
DOI
10.1530/EJE-21-1131
ジャーナル名
European Journal of Endocrinology
巻号
European Journal of Endocrinology Volume 186: Issue 6 645–655
著者名(敬称略)
方波見卓行、松葉怜、成瀬光栄 他
所属
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 代謝・内分泌内科

抄訳

目的:腎機能異常はPAの重要な合併症である。一方、MACSでも腎障害を生ずるとの報告があるが、十分に解明されてない。そこで本研究では両疾患併発時の腎合併症リスクを検討した。結果:解析対象はJPAS/JRAS 研究に登録されたPA患者中、1 mgデキサメタゾン抑制試験(DST)が施行された1310例。DST 陽性のMACS併発群(340例)のeGFR低下、尿蛋白陽性リスクは、いずれもMACS非併発群と比べて約2倍高値だった。また、血中アルドステロン濃度(PAC)、MACSの存在は両腎合併症の独立した説明因子として選択された。さらに、対象をPAC中央値とMACSの有無で4群に再分類したところ、PACが中央値以上、MACS併発を満たす群ではeGFR低下、尿蛋白陽性リスクは PACが中央値未満、MACS非併発を満たす群と比べ、約3倍、約6倍増加した。結語:われわれは、初めてMACSはPA患者腎合併症の独立したリクス因子であること、アルドステロン分泌能が高く、MACSを併発するPAでは腎合併症リスクが特に増加すること初めて明らかにした。PA患者ではMACSの有無を精査し、MACS併発時には厳格な治療管理を行う必要がある。

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