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2022/05/27

大腸菌K-12株における転写因子CsuRによる細胞表層性情の決定における制御的役割

論文タイトル
Regulatory role of CsuR (YiaU) in determination of cell surface properties of Escherichia coli K-12
論文タイトル(訳)
大腸菌K-12株における転写因子CsuRによる細胞表層性情の決定における制御的役割
DOI
10.1099/mic.0.001166
ジャーナル名
Microbiology
巻号
Volume 168, Issue 4
著者名(敬称略)
島田 友裕 他
所属
明治大学 農学部 農芸化学科 ゲノム微生物学研究室

抄訳

単細胞の細菌はストレス環境に直接曝されている。環境の変化は細胞表層構造や膜によって感知されるため、その組成と適切な会合は、過酷な環境下で生存するために極めて重要である。細胞表層性情の変化は細菌の病原性や運動性、接着性などの機能にも影響を与えることが知られている。 本研究では筆者らが独自に開発したin vitroにおいて転写制御因子のゲノム上結合領域を網羅的に同定するためのGenomic SELEX法を用いて、大腸菌K-12株の機能未知転写因子YiaUを解析したところ、その標的遺伝子群が外膜・内膜タンパク質やリポポリサッカライドなど細菌の細胞表層構造に関与するものであることが判明した。遺伝子発現の解析により、これらの遺伝子群はYiaUにより活性化されることが示唆された。さらに、YiaUの生理的な役割を解析したところ、血清中の補体や様々な薬剤に対する感受性や、バイオフィルム形成能に影響を与えることが判明した。これらの結果から筆者らは、YiaUをCsuR (regulator of cell surface)と命名することを提案した。本研究成果は細菌の細胞表層性情を変化させる仕組みの理解に役立つ。

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