抄訳
昨今カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)が世界の公衆衛生上の大きな脅威となっている。CPEの検出法としてCIM法などが知られているが、結果を得るまで1日ほど必要となる。近年、簡便かつ迅速(判定15分)にCPEを検出できるNG-Test CARBA 5が販売された。NG-Test CARBA 5はイムノクロマト法によって、臨床上重要なカルバペネマーゼであるIMP, KPC, VIM, OXA-48, NDM(Big 5)を検出できることから、臨床現場での応用が期待されている。
本研究では、臨床現場でも分離される各種薬剤耐性菌に対するNG-Test CARBA 5の精度評価を目的とした。カルバペネマーゼ産生グラム陰性桿菌116株(Big 5 107株、Big 5以外9株)とカルバペネマーゼ非産生グラム陰性桿菌48株を用いたところ、感度99.1%(106/107)、特異度100%(57/57)と非常に高い精度で判定されることがわかった。臨床現場において、NG-Test CARBA 5を最初のスクリーニングとして実施することで、迅速診断が可能となり、さらにはポイントオブケア (POCT) 検査としても有効活用されることが期待された。