本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2022/06/30

化学物質刺激による線虫C. elegansの連合学習と記憶の形成

論文タイトル
Aversive Associative Learning and Memory Formation by Pairing Two Chemicals in Caenorhabditis elegans
論文タイトル(訳)
化学物質刺激による線虫C. elegansの連合学習と記憶の形成
DOI
10.3791/64137
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (184), e64137
著者名(敬称略)
澁谷 海大、丸山 一郎 他
所属
沖縄科学技術大学院大学情報処理生物学ユニット

抄訳

線虫C. elegansは細胞や分子レベルでの学習や記憶の研究に適したモデル生物である。その神経系は比較的単純で、全てのニューロンの化学的・電気的シナプスによる繋がりが連続超薄切片の電子顕微鏡画像から再構成されている。本論文では、プロパノールと塩酸をそれぞれ条件刺激、無条件刺激としてC. elegansに学習させ、短期記憶と長期記憶を形成させる方法を詳述する。C. elegansはプロパノールに引き寄せられ、塩酸を避ける性質がある。ところが、プロパノールと塩酸を同時に連合学習させると、C. elegansはプロパノールに引き寄せられなくなる。さらに、短期記憶と長期記憶形成の両方に、NMDA受容体が必須であることが、C. elegans突然変異体の解析から判明した。C. elegansでは6種類の介在ニューロンでのみNMDA受容体が発現していることから、これらの介在ニューロンが形成するネットワークに記憶が保存されていると考えられる。

介在ニューロンAVAを蛍光タンパク質でラベルしたC. elegans

論文掲載ページへ