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2022/07/26

クッシング症候群副腎腺腫におけるステロイド合成酵素DNAメチル化の解析

論文タイトル
Association of DNA methylation with steroidogenic enzymes in Cushing’s adenoma
論文タイトル(訳)
クッシング症候群副腎腺腫におけるステロイド合成酵素DNAメチル化の解析
DOI
10.1530/ERC-22-0115
ジャーナル名
Endocrine-Related Cancer
巻号
Endocrine-Related Cancer Volume 29: Issue 8 Pages: 495–502
著者名(敬称略)
児玉尭也、沖 健司 他
所属
広島大学大学院 分子内科学(内科学第二)

抄訳

【背景】コルチゾール産生腺腫(CPA)における副腎ステロイド合成酵素のDNAメチル化によるコルチゾール合成機構はわかっていない.CPAにおけるステロイド合成酵素のDNAメチル化レベルを同定し,遺伝子発現との関連を明らかにすることを目的とした.
【方法】CPA25例と非機能性副腎皮質腺腫(NFA)6例を対象に,DNAメチル化ビーズアレイ解析とRNAシークエンス解析を行った.
【結果】CYP17A1遺伝子は,NFAに比べCPAで低メチル化を示し,転写領域2箇所のメチル化レベルが有意に低かった.また,CYP17A1遺伝子の3 領域でメチル化レベルとmRNA発現量が逆相関した.PRKACA変異CPAでは,GNAS変異CPAと比較し,CYP17A1遺伝子の低メチル化傾向を認めた.CYP17A1遺伝子のメチル化レベルとmRNA発現量を用いたクラスタリング解析で,PRKACA変異CPAはNFAおよびGNAS変異CPAと明確に区別された.
【考察】CPAでは,CYP17A1遺伝子の低メチル化がCYP17A1転写を制御し,特に,PRKACA変異CPAで,その関連が強かった.

 

 

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