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2022/08/01

アディポネクチンは、糖ならびに脂質代謝の概日リズムを制御する

論文タイトル
Adiponectin regulates the circadian rhythm of glucose and lipid metabolism
論文タイトル(訳)
アディポネクチンは、糖ならびに脂質代謝の概日リズムを制御する
DOI
10.1530/JOE-22-0006
ジャーナル名
Journal of Endocrinology
巻号
Journal of Endocrinology Volume 254: Issue 2 Pages: 121–133
著者名(敬称略)
和田 平、榛葉 繁紀 他
所属
日本大学 薬学部 薬学科 健康衛生学研究室

抄訳

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌され、糖・脂質代謝を調節するサイトカインである。血清アディポネクチン濃度は日内変動を示すが、アディポネクチンの効果が時間依存的であるかどうかは不明である。そこで本研究では、糖・脂質代謝の概日リズム形成におけるアディポネクチンの役割を解析した。アディポネクチン欠損により、マウスの活動量ならびに摂食量が増加した。またアディポネクチン欠損は、マウス肝臓および血清脂質レベルの概日リズムに変化を与えた。肝臓からの超低密度リポタンパク質-トリグリセリド分泌において時間依存性が認められたが、これはアディポネクチン欠損により失われた。また、アディポネクチン欠損マウスの耐糖能は、休息期では正常であったが活動期では低下していた。この活動期における耐糖能の低下は、インスリン分泌能の低下と関連していた。これらの結果は、アディポネクチンが肝臓の代謝の概日リズムの一部を制御していることを示唆している。

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