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2010/05/06

大脳皮質神経細胞局在化におけるセプチン(Sept14とSept4)の重要性

論文タイトル
Septin 14 Is Involved in Cortical Neuronal Migration via Interaction with Septin 4
論文タイトル(訳)
大脳皮質神経細胞局在化におけるセプチン(Sept14とSept4)の重要性
DOI
10.1091/mbc.E09-10-0869
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell American Society for Cell Biology
巻号
April 2010|Vol. 21|Issue 8|1324-1334
著者名(敬称略)
篠田 友靖、永田 浩一、他
所属
愛知県心身障害者コロニー 発達障害研究所・神経制御学部

抄訳

Septinは、酵母から哺乳類まで保存された細胞骨格関連のGTP/GDP結合蛋白質である。哺乳類には14種類のホモログ(Sept1~Sept14)が存在し、分子ファミリーを形成する。著者らは、大脳皮質形成におけるSept14の機能を検証するため、子宮内胎仔脳遺伝子導入法を用いて、胎生期マウスの脳室帯細胞でSept14の発現を抑制した。その結果、Sept14発現抑制細胞は局在異常(細胞移動の異常)を示した。ついで、この現象の分子基盤を解明する目的で相互作用分子の探索を行い、Sept4を同定した。免疫沈降実験の結果、Sept14とSept4が相互作用すること、およびSept14のC末側に存在するcoiled-coil領域がSept4との相互作用に必要であった。さらに、Sept4の発現抑制やSept14とSep4の結合阻害も、大脳皮質神経細胞の局在異常を生じた。一方、神経細胞の形態に着目したところ、Sept14およびSept4の発現抑制細胞では先導突起の長さが短縮していた。Sept14やSept4の発現抑制により、海馬培養神経細胞でも軸索および樹状突起の伸張が抑制された。これらの結果から、Sept14およびSept4は神経細胞の形態制御に関与し、それによって神経細胞の移動・局在に機能的に関与することが示唆された。

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