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2012/08/30

間質性肺炎に合併する肺癌の形態的・局在性の特徴:その初期像について

論文タイトル
Lung Cancer in Chronic Interstitial Pneumonia: Early Manifestation From Serial CT Observations 
論文タイトル(訳)
間質性肺炎に合併する肺癌の形態的・局在性の特徴:その初期像について
DOI
10.2214/AJR.11.7516
ジャーナル名
American Journal of Roentgenology American Roentgen Ray Society
巻号
AJR July 2012 vol. 199 no. 1 85-90
著者名(敬称略)
吉田理佳、荒川浩明 他
所属
獨協医科大学放射線科

抄訳

目的;間質性肺炎(IP)に合併する肺癌の初期像の特徴を明らかにする。
方法;間質性肺炎経過観察中の患者のうち1999年から2010年に肺癌と診断され、初回CTで癌が無いことが確認されている22名(23病変)を対象とした。2名の放射線専門医が独立して後ろ向きにCT画像を参照した。
結果;経過観察期間は4.1年、CT撮影回数は8回、腫瘍径は陰影出現時11mm、生検診断時22mm、陰影出現から臨床的診断日までは409日であった(いずれも中央値)。発生部位は、15病変 (65.2%) は線維性嚢包(蜂巣肺や傍隔壁肺気腫)と正常肺の境界に生じ、4病変はすりガラス影内、1病変は蜂巣肺内に生じた。形状は12病変round or oval, 8病変ill-defined stellate shape、2病変band-like、1病変は境界不明瞭な肺野濃度上昇であった。
結論; IP合併肺癌の初期像は、約2分の1の病変はstellate shapeやband-likeで初期は腫瘍として認識することが難しい。大部分の腫瘍は蜂巣肺と正常肺の境界に生じ、蜂巣肺内に生ずることは稀である。

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