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2012/12/05

オートファジー必須因子・Atg16L1はPC12細胞においてオートファジーとは独立にホルモン顆粒の分泌を制御する

論文タイトル
Atg16L1, an essential factor for canonical autophagy, participates in hormone secretion from PC12 cells independently of autophagic activity 
論文タイトル(訳)
オートファジー必須因子・Atg16L1はPC12細胞においてオートファジーとは独立にホルモン顆粒の分泌を制御する
DOI
10.1091/mbc.E12-01-0010
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell American Society for Cell Biology
巻号
Mol. Biol. Cell August 15, 2012 vol. 23 no. 16 3193-3202
著者名(敬称略)
石橋弘太郎、福田 光則 他
所属
東北大学大学院 生命科学研究科 膜輸送機構解析分野

抄訳

オートファジーは、あらゆる真核細胞に保存された細胞内分解機構であり、様々な生命現象において重要な役割を担うことが明らかになっている。近年、オートファジーと分泌との関連性を示す研究が幾つか報告されているが、両者を結び付ける分子メカニズムはこれまで全く明らかになっていない。そこで本論文では、分泌研究のモデル細胞株である副腎髄質クロマフィン細胞由来のPC12細胞を用いて解析を行ったところ、オートファジー必須因子の1つであるAtg16L1が低分子量G蛋白質Rab33A依存的にホルモン顆粒上に局在することを見出した。興味深いことに、このAtg16L1のホルモン顆粒への局在はオートファジー阻害の影響を全く受けなかった。また、RNA干渉法を用いた内在性のAtg16L1(あるいは足場となるRab33A)分子のノックダウンの結果、ホルモン分泌量が顕著に減少することが明らかになった。以上の結果から、Atg16L1はホルモン顆粒上のRab33Aと協調してオートファジーとは独立にホルモン顆粒の分泌過程を制御することが示唆された。

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