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2014/04/16

術前放射線化学療法および食道切除術を施行した食道腺癌の局所再発率とサルベージ治療の予後に関する検討

論文タイトル
Locoregional Failure Rate After Preoperative Chemoradiation of Esophageal Adenocarcinoma and the Outcomes of Salvage Strategies
論文タイトル(訳)
術前放射線化学療法および食道切除術を施行した食道腺癌の局所再発率とサルベージ治療の予後に関する検討
DOI
10.1200/JCO.2013.51.7250
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology American Society of Clinical Oncology
巻号
JCO Dec 1, 2013:4306-4310; published online on October 21, 2013
著者名(敬称略)
須藤一起、Jaffer A. Ajani 他
所属
The University of Texas MD Anderson Cancer Center, Department of Gastrointestinal Medical Oncology

抄訳

食道腺癌に対する局所治療後サーベイランスの一番の目的は、治癒的治療の対象となりうる局所再発を発見することである。しかし、術前放射線化学療法および食道切除術後サーベイランスのベネフィットに関する研究報告はない。 対象及び方法;食道および胃食道接合部腺癌に対して、米国の標準治療である術前放射線化学療法および食道切除術を当院で施行した518人の患者を対象とした。治療後の局所再発頻度とタイミングを後ろ向きに検討した。また、局所再発後の治療成績に関しても検討した。 結果;遠隔転移なしの局所再発を認めた患者は27人(5%)であった。27人のうち89%は術後3年以内の再発であった。局所再発後の生存期間中央値は17ヶ月で、局所再発後2年以上生存した患者は10人(サーベイランスをうけた全518人の2%)であった。 結論;我々は多くの施設で行われているような治療後の定期的サーベイランスを行った。本研究はそのようなサーベイランス戦略に対して疑問を投げかけた。治療後の局所再発率が低いことは良い結果であったが、たとえ局所再発を発見してもその予後は不良であると判明した。本研究はエビデンスに基づいたサーベイランス戦略の構築に貢献できる。

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