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2014/06/11

転写因子C/EBPβはSF-1と協調してプロゲステロン産生を転写レベルで調節する

論文タイトル
C/EBPβ (CCAAT/enhancer-binding protein β) mediates progesterone production through transcriptional regulation in co-operation with SF-1 (steroidogenic factor-1)
論文タイトル(訳)
転写因子C/EBPβはSF-1と協調してプロゲステロン産生を転写レベルで調節する
DOI
10.1042/BJ20131522
ジャーナル名
Biochemical Journal Biochemical Society
巻号
Biochemical Journal Vol.460 No.3 459?471
著者名(敬称略)
水谷 哲也 他
所属
福井大学 医学部 医学科 生命情報医科学講座 分子生体情報学領域

抄訳

転写因子SF-1は性腺や副腎のマスター因子として、その発生・分化およびステロイドホルモン産生に必須の因子である。本研究では、核内で形成するSF-1複合体構成因子を同定することでSF-1の作用機序の解明を試みた。免疫沈降とMALDI-TOF MS/MS解析よりSF-1複合体構成因子の同定を試みたところ、約20のSF-1複合体構成因子を同定した。その中から排卵・黄体化に必須な転写因子C/EBPβに着目し、プロゲステロン産生に対する影響を検討した。その結果、プロゲステロン産生に関連するSTAR、CYP11A1およびHSD3B2の遺伝子発現にC/EBPβが関与することが示された。さらにその転写調節メカニズムを検討したところ、すべての遺伝子上流域にSF-1とC/EBPβの結合領域が近接して存在し、SF-1とC/EBPβが協調することで転写調節していることが示された。以上の結果から、C/EBPβはSF-1と共に転写レベルでプロゲステロン産生を調節する重要な転写因子であることが示された。

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