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2016/06/20

到達運動の学習を推進する運動野からもたらされる誤差の信号

論文タイトル
Error Signals in Motor Cortices Drive Adaptation in Reaching
論文タイトル(訳)
到達運動の学習を推進する運動野からもたらされる誤差の信号
DOI
10.1016/j.neuron.2016.04.029
ジャーナル名
Neuron Cell Press
巻号
Neuron Volume 90, Issue 5, p1114?1126, 1 June 2016
著者名(敬称略)
井上 雅仁 北澤 茂 他
所属
大阪大学 大学院 生命機能研究科 ダイナミックブレインネットワーク研究室

抄訳

目標に手を伸ばす運動は,プリズムにより視野をずらしたり外乱をあたえたりすると誤差を減らすように順応する。大脳皮質の運動野が誤差の信号を提供するという仮説が提唱された一方で,ヒトの脳機能イメージング法においては頭頂葉の連合野だけが誤差を表現すると報告されてきた。運動野は本当に誤差の信号を提供して学習を推進するのだろうか。筆者らは,サルを用いて1次運動野および運動前野が到達運動の終点の誤差の情報を表現することを確かめた。さらに,運動の直後に微小な電気刺激をあたえることにより,誤差は試行を重ねるごとに徐々に蓄積し,その残効は徐々に減少することが明らかにされた。これらの結果から,運動野から発せられる到達運動の誤差の信号は順応を推進することが明確に示された。

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