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2017/04/25

前立腺癌におけるNF-κBを介したプロテインキナーゼCによるTwist1の発現制御

論文タイトル
Protein kinase C regulates Twist1 expression via NF-κB in prostate cancer
論文タイトル(訳)
前立腺癌におけるNF-κBを介したプロテインキナーゼCによるTwist1の発現制御
DOI
10.1530/ERC-16-0384
ジャーナル名
Endocrine-Related Cancer Bioscientifica
巻号
Endocrine-Related Cancer Vol.24 No.4 (171-180)
著者名(敬称略)
塩田 真己、他
所属
九州大学大学院医学研究院泌尿器科分野

抄訳

前立腺癌において、去勢抵抗性前立腺癌への進展は致命的なステップとなる。我々は、プロテインキナーゼCの活性化によるTwist1とアンドロゲン受容体の誘導が去勢抵抗性獲得において重要な役割を果たしていることを示したが、その詳細な分子メカニズムは明らかでない。本研究では、NF-κBに焦点を当て、それらと関連するメカニズムを解明することを目指した。
その結果、プロテインキナーゼC阻害によりRelAの活性が低下し、NF-κB阻害によりTwist1とアンドロゲン受容体の発現が低下した。反対に、アンドロゲン受容体阻害によりプロテインキナーゼCとRelAが活性化され、転写レベルでTwist1とアンドロゲン受容体の発現が誘導された。さらに、NF-κB阻害により新規抗アンドロゲン剤であるエンザルタミドによるTwist1とアンドロゲン受容体の誘導が阻害され、去勢抵抗性およびエンザルタミド耐性細胞においてNF-κB活性が増強していることが確認された。
以上より、NF-κBがアンドロゲン受容体阻害によるPKCによるTwist1、アンドロゲン受容体の誘導を担っており、NF-κBは去勢抵抗性およびエンザルタミド耐性の促進において重要な役割を果たしていると考えられた。

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