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2017/08/30

雌メダカにおけるGnRH1ニューロンの高頻度発火活動は、脳下垂体GnRH1神経終末からのGnRH1ペプチド放出を引き起こす

論文タイトル
HighーFrequency Firing Activity of GnRH1 Neurons in Female Medaka Induces the Release of GnRH1 Peptide From Their Nerve Terminals in the Pituitary
論文タイトル(訳)
雌メダカにおけるGnRH1ニューロンの高頻度発火活動は、脳下垂体GnRH1神経終末からのGnRH1ペプチド放出を引き起こす
DOI
10.1210/en.2017-00289
ジャーナル名
Endocrinology Endocrine Society
巻号
Endocrinology Vol.158 No.8 (2603?2617)
著者名(敬称略)
長谷部 政治, 岡 良隆
所属
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻

抄訳

 脊椎動物の脳において、視床下部の生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンは、GnRHペプチド放出を介して脳下垂体の黄体形成ホルモン(LH)分泌とそれに続く排卵を引き起こす。このGnRHペプチド放出の調節には、GnRHニューロンの発火活動が関与していることが示唆されていたが、それらの直接的な関係性については不明瞭であった。本研究では、2種類の遺伝子組み換えメダカ(GnRH1ニューロンにEGFP、LH細胞に蛍光Ca2+インジケーターIPを導入)の全脳in vitro標本を用いて電気生理学・Ca2+イメージングを行うことで、両者の関係性をより直接的に明らかにした。
 視床下部GnRH(GnRH1)ニューロン細胞体へのグルタミン酸局所投与により、それらの高頻度発火活動を引き起こすと、GnRH1ニューロンの軸索投射先である脳下垂体LH細胞で、軸索終末から放出されたGnRHペプチドが受容されたことによるCa2+応答が見られた。
本研究により、GnRH1ニューロンの細胞体における高頻度発火活動が、脳下垂体LH細胞に投射する軸索の終末からGnRH1ペプチド放出を引き起こすことが明らかとなった。

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