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2017/10/10

分界条床核主核の雌優位な性的二型細胞集団の性ホルモンに依存した性分化

論文タイトル
Gonadal Hormone?Dependent Sexual Differentiation of a Female―Biased Sexually Dimorphic Cell Group in the Principal Nucleus of the Bed Nucleus of the Stria Terminalis in Mice
論文タイトル(訳)
分界条床核主核の雌優位な性的二型細胞集団の性ホルモンに依存した性分化
DOI
10.1210/en.2017-00240
ジャーナル名
Endocrinology Endocrine Society
巻号
Endocrinology Vol.158 No.10 (3512?3525)
著者名(敬称略)
森下 雅大, 塚原 伸治 他
所属
埼玉大学理学部生体制御学科調節生理学研究室

抄訳

 これまでに知られていなかった性的二型の領域がマウスの視索前野と分界条床核の境界に存在することを我々は以前報告した。我々はこの領域を再調査し、この領域が雄優位な性的二型核である分界条床核主核の腹側領域の一部であり、雌優位な性差を示すことを明らかにした。さらに、分界条床核主核腹側部(BNSTpv)の性差は性ホルモンの影響を受けて形成されることを明らかにした。
 雄のBNSTpvは出生日の精巣除去により雌化し、雌のBNSTpvは周生期のテストステロン投与により雄化した。BNSTpvの性差は思春期前から見られたが、雌では思春期にBNSTpvの体積が増加し、雄ではBNSTpvのニューロンが脱落することで成熟期に性差が顕著になった。思春期前の精巣除去はBNSTpvの性分化に影響を及ぼさなかったが、思春期前の卵巣除去はBNSTpvの体積増加を抑制するとともにニューロンの脱落を引き起こした。新生仔期の精巣由来テストステロンにはBNSTpvを雄化する作用があり、思春期の卵巣由来ホルモンはBNSTpvの雌化に重要であることが示唆された。

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