本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2017/10/26

ビタミンEの過剰摂取は、通常および高脂肪食摂取においても、卵巣摘出したメスやオスマウスの骨量を減少しない

論文タイトル
Excessive Vitamin E Intake Does Not Cause Bone Loss in Male or Ovariectomized Female Mice Fed Normal or High-Fat Diets
論文タイトル(訳)
ビタミンEの過剰摂取は、通常および高脂肪食摂取においても、卵巣摘出したメスやオスマウスの骨量を減少しない
DOI
10.3945/jn.117.248575
ジャーナル名
Journal of Nutrition American Society for Nutrition
巻号
Vol. 147 No. 10
著者名(敬称略)
藤原 葉子, 池上 寛子 他
所属
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 ライフサイエンス専攻食品栄養科学コース

抄訳

主要なビタミンEであるαトコフェロールの破骨細胞活性化作用が報告されたことから、ビタミンE過剰摂取の骨粗鬆症に対するリスクが危惧されたが、ビタミンEの骨に対する影響については十分な見解は得られていない。本研究では、過剰量のビタミンE摂取が骨に及ぼす影響を、雄マウスおよび閉経後モデル雌マウスで検討した。
C57BL/6J雄性マウスに過剰量のビタミンE(1000mg/kg)を含む通常脂肪食(16%脂肪)を18週間投与したが、骨への影響は観察されなかった。肥満時の影響を観察するために、0, 200, 500, 1000mg/kgのビタミンEを含む高脂肪食(46%脂肪)を投与したが、同様に影響は観察されなかった。さらに、卵巣摘出手術を行った閉経後モデル雌マウスに1000mg/kgのビタミンEを含む高脂肪食を8週間投与したが、悪影響は観察されなかった。
1000mg/kgのビタミンE投与はヒトの摂取上限の8倍に相当し、過剰量のビタミンEを摂取しても骨に対する悪影響は認められなかった。また、肥満や閉経に伴う骨粗鬆症のリスク上昇時にも、ビタミンEは骨に悪影響を及ぼさないことが明らかになった。

論文掲載ページへ