本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2017/12/26

糖尿病マウス血清のプロテオーム解析により同定されたsoluble EGFRはインスリン抵抗性の指標となるバイオマーカー候補である

論文タイトル
Serum Quantitative Proteomic Analysis Reveals Soluble EGFR To Be a Marker of Insulin Resistance in Male Mice and Humans
論文タイトル(訳)
糖尿病マウス血清のプロテオーム解析により同定されたsoluble EGFRはインスリン抵抗性の指標となるバイオマーカー候補である
DOI
10.1210/en.2017-00339
ジャーナル名
Endocrinology Endocrine Society
巻号
Endocrinology Vol.158 No.12 (4152?4164)
著者名(敬称略)
京原 麻由, 白川 純, 寺内康夫 他
所属
横浜市立大学大学院医学研究科 分子内分泌・糖尿病内科学

抄訳

新規糖尿病バイオマーカーの探索のため、我々は肥満糖尿病モデルであるdb/dbマウスを用いて、1) 4, 8, 12, 24週齢の血清、2) 抗糖尿病薬であるGLP-1受容体作動薬のリラグルチド(Lira)投与後の血清のプロテオーム解析を行った。db/dbマウス血清で低下し、Lira投与で回復するEpidermal growth factor receptor (EGFR、血清中でsoluble EGFR (sEGFR) として存在) を同定し、血清ELISA、肝臓・脂肪組織の遺伝子発現で同様の変化を確証した。血清sEGFRは、肥満とインスリン抵抗性を呈する高脂肪食負荷マウスやob/obマウスでも低下し、一方、インスリン分泌が低下するグルコキナーゼ欠損マウス、STZ投与マウスで上昇、また、インスリン受容体/IGF-1受容体阻害薬投与マウスで上昇した。糖尿病患者を含むヒト血清sEGFRは空腹時血糖、血清インスリン、HOMA-IR、HbA1cと正相関した。これより血清sEGFRはインスリン抵抗性を反映しうる新規バイオマーカー候補である。

論文掲載ページへ