抄訳
2光子または共焦点レーザー顕微鏡を用いたマウス網膜のin vivoイメージングは、中枢神経系組織における細胞動態解析の強力なツールである。
しかし、麻酔下ではマウス眼内の水晶体が可逆的に不透明化(白内障化)するため、眼底の視認性が著しく悪化する。
マウス眼球表面に平凹型コンタクトレンズを装用して角膜の乾燥を防ぐことにより、白内障の進行を遅延させることはできるが、その効果には限界がある。
こうした問題を解決するため、我々はマウス眼球表面を完全に覆うコンタクトレンズを開発することにより、6時間以上にわたって麻酔下での白内障を防止することに成功した。
その結果、マウス網膜における白血球の動態を長時間にわたって解析することが可能となった。
今後、本コンタクトレンズを補償光学システムと組み合わせることにより、マウス網膜におけるin vivo分子イメージングも可能になることが期待される。