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USACO News:詳細

2011/03/31:第215号 Google One Passによるライセンスモデル
 

Google One Passによるライセンスモデル

 米Googleは,本年2月にニュースや雑誌などのデジタルコンテンツをオンラインで販売するシステム“Google One Pass”を発表した。

 Google One Passを利用することで,出版者は開発のコストを抑え簡便な操作でコンテンツを公開し,ビジネスを柔軟に展開できるという。コンテンツの提供方法も,1週間や30日間など閲覧期限の設定,ディスカウント・クーポンの仕組み,従量制課金などのモデルのほか,旧来からの年間購読にすることもできる。その他,価格設定でも,基本サービス部分を無料提供することでビジターを増やし,付加価値の高いサービス部分にのみ課金する「フリーミアムモデル」など様々な戦略を提案している。コンテンツの決済には,Googleの決済サービス“Google Checkout”が利用され,この方法によって購読者が複数の出版者への支払いを一元化できるというメリットもある。購読者は,PCのブラウザまたは様々なモバイル端末からGoogleのアカウントを利用し,一度購入した論文には自由にアクセスができるようになる。

 出版者がGoogleに支払うシステム利用料については,複数の海外メディアが売上の10%と報じており,米AppleがApple Storeで徴収する30%よりも出版者にとって負担の少ない仕組みのようである。また,Appleが購読者のメールアドレスや名前について所有権を持つのに対し,Googleは,顧客が出版者に情報を提供するのを拒否しなければ、出版者と顧客情報を共有することができるとしている。このことは,顧客に販売活動や新製品の紹介をしたい出版者にとって,顧客とのつながりを維持する重要な役割となる。

 出版者では,アメリカのMedia GeneralやRust Communications,ドイツのAxel Springer AG,Focus Online (Tomorrow Focus) ,Stern.deなどがGoogle One Passの導入を決めている。現在出版者がGoogle One Passを利用できる地域は,アメリカ,カナダ,フランス,ドイツ,イタリア,スペイン,イギリスに限られている。

 学術誌においては,以前として電子ジャーナルを年間予約購読するモデルが通例であるが,今後,ドキュメント・デリバリー,Pay Per View,短期閲覧サービスなどを組み合わせることで,限られた予算枠で最大限のアクセスを実現することが求められるだろう。Google One Passが提供する柔軟なライセンスモデルも有効かもしれない。


・Google:Google One Pass
http://www.google.com/landing/onepass/,(accessed 2011-3-31).
・Google:ブログでの発表
http://googleblog.blogspot.com/2011/02/simple-way-for-publishers-to-manage.html,(accessed 2011-3-31).
・Hubpages:Google One Passについて
http://hubpages.com/hub/Google-One-Pass-New-Online-Subscription-Service-by-Google,(accessed 2011-3-31).
・Thomson Reuters:Google One Passについて
http://www.reuters.com/article/2011/02/16/us-google-onepass-idUSTRE71F4SP20110216,(accessed 2011-3-31).

東北地方太平洋沖地震:震災支援の動き

情報を無料提供しています。サービスの提供期間,対象者,ご利用方法は,各機関のURLからご確認ください。

【American Journal of Roentgenology】
 提供対象:冊子購読者にオンラインへのアクセス
 URL:http://www.ajronline.org/subscriptions/
(4/4(月)以降購読者IDでアクティベートできます。提供は2011年末までです。)

【UpToDate】
 提供対象:UpToDate(臨床医学情報ツール)
 URL:http://www.uptodate.com/contents/search

【Wolters Kluwer Health・Ovid and Lippincott Williams & Wilkins (LWW)】
 提供対象:Wolters Kluwer緊急医療情報源ポータル
 URL:http://www.ovid.com/site/trial/com2011/japan_disaster_email_032411.html

【EBSCO Publishing】
 提供対象:DynaMed,Nursing Reference Center,Patient Education Reference Center(臨床系EBM情報検索ツール,他)
 URL:http://www.ebsco.co.jp/earthquake/311evidence.html

【Elsevier Health】
 提供対象:MD Consult(臨床医療の統合情報)
 URL:http://www.mdconsult.com/php/238142179-23/homepage

【株式会社医学書院】
 提供対象:災害・放射線関連論文のフルテキスト,今日の診療WEB版
 ・災害・放射線関連論文のフルテキストURL:http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/311care.html#josan5811
 ・今日の診療WEB版URL:http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/311care_kon.html

【医学中央雑誌刊行会】
 提供対象:医中誌Web(要登録),医中誌Web 災害医療・放射線医学に関連する医学文献情報(登録不要)
 ・医中誌Web URL:http://www.jamas.or.jp/news/news26.html
 ・医中誌Web 災害医療・放射線医学に関連する医学文献情報URL:http://www.jamas.or.jp/news/news_earthquake.html

【科学技術振興機構】
 提供対象:JDreamII(要登録),JDreamII地震関連の文献情報(登録不要)
 ・JDreamIIURL:http://pr.jst.go.jp/new/info20110328.html
 ・JDreamII地震関連の文献情報URL:http://pr.jst.go.jp/new/info20110316.html

【コクラン共同計画・Wiley-Blackwell】
 提供対象:Evidence Aid,震災による負傷,洪水後の水汚染への対処などの関連データ,The Cochrane Library (医療行為の有効性に関するシステマティックレビュー)
 ・Evidence Aid URL:http://www.cochrane.org/features/evidence-aid-resources-japanese-earthquake-and-tsunami
 ・The Cochrane Library URL:http://www.thecochranelibrary.com/view/0/index.html

【株式会社サンメディア】
 提供対象:Pier Online,災害関連の論文
 URL:http://www.sunmedia.co.jp/pieronline/emergency/all.html

【Cengage Learning】
 提供対象:Galeオンラインデータベース
 URL:http://cengage.jp/gale/

【The New England Journal of Medicine】
 提供対象:The New England Journal of Medicine
 URL:http://www.nejm.org/page/about-nejm/japan

【Thomson Reuters】
 提供対象:放射線関連データ
 URL:http://science.thomsonreuters.jp/announce/20110317/

【株式会社トーハン】
 提供対象:Medical e-hon 災害医療に関するコンテンツ
 URL:http://www.me-hon.ne.jp/meb/bin/pickup_report_desc.asp

【米国国立医学図書館/ Emergency Access Initiative】
 提供対象:生物医学関係論文フルテキスト
 URL:http://eai.nlm.nih.gov/docs/captcha/test.plurl=

また,東京大学と京都大学では,契約サービスへのアクセスを提供しています。

【東京大学】
 提供対象:東京大学で契約している電子ジャーナル等
 URL:http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/koho/news/news/UT_SSL-VPN.pdf

【京都大学】
 提供対象:京都大学で契約している電子ジャーナル等
 URL:http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/article.phpstoryid=796


トムソン・ロイター:Web of Knowledgeバージョン5をリリース

 トムソン・ロイターは3月28日,学術文献・引用検索プラットフォーム“Web of Knowledge”のバージョン5をリリースしました。

Web of Knowledgeバージョン5の主な改善点は以下の通りです。

・ResearcherID(RID)の搭載
“ResearcherID”は,研究者向けの無料のコミュニティサイト“ResearcherID.com(http://www.researcherid.com/)”で使用される著者識別IDで,研究者自身がアカウントを作成し研究業績を発信することができます。Web of ScienceでResearcherIDによる検索が可能になり,著者同定の質が向上します。さらにWeb of ScienceからResearcherID.comへのダイレクトリンクが設定され,研究者プロファイルや研究業績に簡単にアクセスできます。

・検索結果一覧画面で論文抄録の確認
これまで論文抄録を見るためには,検索一覧画面からタイトルをクリックしフルレコードを開くという作業が必要でした。新しいバージョンでは,一覧画面で抄録が閲覧でき動作が簡略化されました。

・データベースごとの検索結果絞り込み
Web of Knowledgeには,Web of ScienceをはじめMedlineやINSPECなど医学系,工学系,バイオ系など様々なデータベースが搭載されています(ご契約内容によります)。検索結果のデータベースごとの絞り込みや、複数データベースの検索結果を一度にMarked Listに保存することができます。

・データセットの分析
Marked List保存のデータセットなど作成した検索集合を元にしたAnalyze機能での分析,引用レポートの作成が可能になりました。

そのほかの便利な機能については,下記URLをご覧ください。
http://science.thomsonreuters.jp/wok/about/newwok/

なお,Web of Knowledgeバージョン4は2011年末まで提供される予定です。

・Web of Knowledge製品サイト
http://science.thomsonreuters.jp/products/wok/
・Web of Science製品サイト
http://science.thomsonreuters.jp/products/wos/


第33回 学術出版協会年次大会開催のお知らせ

 米国に本部を置くSociety for Scholarly Publishing(SSP:学術出版協会)は,第33回年次大会を6月1日から3日までボストンで開催します。本年の大会テーマは,「大切なこと:データは我々の世界をどう変えるか(It’s What Counts:How Data Transforms Our World)」です。Google BooksのエンジニアディレクターJon Orwant氏が基調講演を,ハーバード大学法学教授John Palfrey氏が本会議講演をします。同時にセッションでは,保存,研究データの管理,データアクセシビリティ,電子書籍など様々な切り口から情報提供がされる予定です。

期間:2011年6月1日(水)から3日(金)まで
開催地:ボストン Westin Copley Place

SSPホームページ
http://www.sspnet.org/

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