本文へスキップします。

【全】メガメニュー
H1

ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2019/08/30:第308号 Plan Sの改訂
 

Plan Sの改訂
 昨年9月4日にPlan Sの根幹をなす「原則」が発表されて間もなく1年が経とうしている。当時の状況は小誌の299号でも報告し,その後の動きも含めた記事が情報科学技術協会(INFOSTA)の会誌,ブログやニュースサイトなどに掲載されている(参考文献)。Plan Sは言うまでもなく大きな反響を呼び,学術コミュニケーションに関わる,出版社,研究者,図書館などの多くのステークホルダーがオープンアクセス(OA)のみならず学術出版システムを再考する契機となった。
 Plan Sは欧州11の公的助成機関が中心になり立ち上げたcOAlition Sが作成した,完全かつ即時のオープンアクセスを実現するための計画だ。研究資金を提供する助成機関が,その研究成果の出版要領を定めることで,学術コミュニケーションにおける高い現状変更効果が予想された。2020年1月発効という性急さと,ハイブリッドOAとグリーンOAを除くOA出版しか認めない強硬な条件を掲げた原則の発表で賛否合わせた活発な議論が巻き起こる中,同年11月26日にはPlan Sに準拠するための手引きとなる「実施ガイダンス(Implementation Guidance)」が公開された。cOAlition Sはこのガイダンスに対するフィードバックを2019年2月1日まで受け付け,40か国から600以上のフィードバックを集めた。
 そのような経過を経て2019年5月31日に改訂版の「原則と実施ガイダンス(Principles and Implementation)」が発表され,実現性などを考慮した変更がなされた。本文書は,「1. 原則」,「2. 実施ガイダンス」,「3. 技術ガイダンスと必須要件」の3つのパートで構成されている。主に「2. 実施ガイダンス」に記載された内容を,他のパートに記載された関連情報も補い再構成して以下のようにまとめた。

- - - - - - - - -

[骨子]
cOAlition Sメンバー機関による公的・私的研究助成に研究成果を受けた査読出版物は全て,OAべニュー(OAジャーナルかOAプラットフォームを総称)またはOAリポジトリに即時(エンバーゴなし)に発表。2021年1月1日発効。
* OAプラットフォームとはウェルカムトラストのWellcome Open Researchやゲイツ財団のGates Open Researchなどを意図している。
* 発効時期は各メンバー機関の判断で前倒しすることも可能。
* 研究データや他の研究成果物の公開は推奨要件。
* 2021年末までにモノグラフとブックチャプターに関する方針を発表する。

[出版ルート]
Plan Sに準拠するためには対象となる研究成果は以下の3ルートのどれかで出版されなければならない。
① OAべニューでの出版。cOAlition Sメンバー機関が出版費を負担する。
② 購読型のジャーナルで出版するが,OAリポジトリに正式版(VoR)もしくは著者最終稿(AAM)を即時に登録。
③ 購読型のジャーナルにハイブリッドOAとして出版。この場合,転換契約(Transformative Agreement)の一部であることが条件。cOAlition Sメンバー機関による出版費負担は可能。
* 転換契約は基本的に購読型の出版モデルからOA出版モデルに移行するための暫定的,過渡的な契約形態との認識の元,出版費の支援は2024年末までで終了する。
* OAべニューとOAリポジトリの必須仕様と推奨要件は「技術ガイダンスと必須要件」に記載。

[著作権・ライセンス]
・著者または所属機関が著作権を保持。
・クリエイティブコモンズライセンスを推奨し,CC BY 4.0をデフォルトとし,CC BY-SA,CC0も認める。
・CC BY-NDについてはメンバー機関の判断で,受給者(著者)からの正当なリクエストがあれば認める。

[出版社の価格設定]
・出版社は論文の出版費と転換契約などの価格設定に透明性を持たせる義務を負う。cOAlition Sは出版社の出版経費と料金設定を監視する。
・cOAlition Sは2020年1月までに出版社や他のステークホルダーと共に論文選定,査読,編集,校正などの個々のサービスの要求価格を定義する。出版社は最低で出版社レベルでの内訳を提供する(ジャーナルレベルを推奨)。不合理な価格設定があった場合はcOAlition Sが各メンバー機関と協調し価格の上限を設ける可能性がある。

[レビュー]
・cOAlition Sは2024年末までに,Plan Sの準拠必須要件,効果および影響を調査する公式レビュー作業の結果を取りまとめる。

[準拠のモニターと制裁措置]
各助成機関が義務遵守のモニター方法と制裁を決める。違反者には助成金の撤回,将来の応募対象からの除外,非準拠の出版物を申請書の実績から除外することが想定される。

- - - - - - - - -

 Web of Scienceに収載された2017年出版のデータを使った調査(参考文献)によると日本のPlan S対象論文は3.4%に留まり,今後その傾向に大きな変化がなければ直接的な影響は比較的小さいと予想される。
 当面は,Plan S対象論文を多く掲載する出版社を中心に契約体系に転換契約を加える動きが強まるだろう。国内の学術機関でもそのような二次的な影響の利点を享受するための準備が必要になる。


<参考文献>
・Plan S:Principles and Implementation
https://www.coalition-s.org/principles-and-implementation/

・小誌 第299号Plan Sの波紋
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=196&dispmid=605#un01

・船守 美穂. プランS改訂―日本への影響と対応. 情報の科学と技術2019年69巻8号 p. 390-396
https://doi.org/10.18919/jkg.69.8_390

・林 豊. Plan S:原則と運用. 情報の科学と技術. 2019 年69巻 2号 p. 89-93
https://doi.org/10.18919/jkg.69.2_89

・尾城 孝一.「転換契約」とJUSTICEの「転換」. 情報の科学と技術 / 69巻 (2019) 8号
https://doi.org/10.18919/jkg.69.8_387

・野村 紀匡, 林 和弘. プランSが日本の学術情報流通に与える影響についての計量書誌学的分析. 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
https://doi.org/10.11514/infopro.2019.0_67

2020年外国雑誌価格動向
 2020年の外国雑誌予約シーズンを前に,現時点で判明している主要出版機関別の外貨ベースでの価格上昇率を報告します。タイトル選定,予算計画の参考資料としてご利用ください。

◆American Psychiatric Association Publishing…3%
◆American Roentgen Ray Society…0%
◆American Society for Cell Biology…3%
◆American Society for Microbiology…5%
◆BioScientifica LTD 【GBP】…5%
◆Endocrine Society…5%
◇Karger【CHF】…2%
◆Microbiology Society【GBP】 …4%
◆National Academy of Sciences (PNAS)…0%
◆Portland Press Limited 【GBP】(※1)…2%

(※1)Portland Press Limited
 2020年より,購読料(Read)と 論文をオープンアクセスにするための出版費用(Publish)をセットにした購読モデルが登場します。価格上昇率には,反映されておりません。

* 先頭に◆印がある出版機関は弊社が国内総代理店です。
* 米ドル以外で決済する出版機関は,機関名の右に【通貨】を表示しました。
* 複数のタイトルを提供する出版機関の数値は,弊社で取扱い実績のあるタイトルを対象に平均値上率を算出し,小数点以下を四捨五入しています。目安としてご参照ください。また,各種コンソーシアム等の価格値上率は本資料と異なる場合がございます。提案書もしくは取扱代理店へのご確認をお願いいたします。

PubMedリニューアルの遅延
 NCBIが2019年8月14日に行ったWebinarで,PubMedのリニューアル時期が当初発表されていた2019年9月から2020年1月に延期されることが発表されました。

 リニューアルでは,現在PubMed Labsとして試行提供されているサービスが正式なPubMedとなります。なお,現行のPubMedはリニューアル後も数か月間は並行提供される予定です。

            




・本件のNCBIによる発表 (Webinar録画)
NCBI Minute: An Updated PubMed is on its Way!
https://www.youtube.com/watch?v=4eA-0-eSSco

・小誌 第307号 新たなPubMed(2019年7月)
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=1032&dispmid=605#un00

NVivo学生版:販売価格引き下げのお知らせ

 弊社は8月5日より,定性調査・質的研究支援ソフトウェア『NVivo 学生版』の価格を見直し, 最大45%値下げしました。
 さらに, 『ペア割』を併せて新設しました。2名以上の同時購入で, NVivo 12 Plus for Windows 学生版がおよそ10%お安くなります。

 NVivoは,近年需要の高まるインタビューやアンケートの自由回答, SNSの書き込みなど数字で表せないデータの分析において,学生の皆様の研究を強力に支援します。

 なお, 通常版やアップグレード版等, 他のライセンスの価格に変更はありません。

 価格の詳細については、弊社オンラインショップの案内をご覧ください。
http://www2.usaco.co.jp/shop/t/t1079/

■価格改定対象商品
・NVivo 12 Plus for Windows 学生版
・NVivo 12 Pro for Windows 学生版
・NVivo 12 for Mac 学生版

■ペア割対象商品
・NVivo 12 Plus for Windows 学生版

【本件に関するお問い合わせはこちら】
ユサコ株式会社 アカデミア事業部 営業部 EC Sales
shop@usaco.co.jp

NVivo活用事例のご紹介
 弊社取り扱いの質的研究支援ソフトウェア「NVivo」をご自身の研究や学会発表でご活用されている静岡県立こども病院 医学図書室 司書 塚田薫代様にお話を伺いました。全文は下記URLでご覧いただけます。

・インタビューの分析と学会発表での視覚化にNVivoを活用
http://www2.usaco.co.jp/shop/pages/nvivo_interview_tsukada.aspx

また,下記URLでは他のユーザー様へのインタビューもご覧いただけます。
http://www2.usaco.co.jp/shop/pages/NVivo_interview.aspx

EndNote・NVivo無料オンラインセミナーのお知らせ
  EndNote・NVivoの無料オンラインセミナーを下記の通り開催いたします。いずれもこれから使い始める方やご購入を検討中の方など初心者向けの内容となります。受講後アンケートに回答いただくと録画版をご視聴いただけます。

▼オンラインセミナー詳細・お申し込みはこちら
 http://www2.usaco.co.jp/shop/pages/en_nvivo_webinar.aspx

● 開催概要:
日時:
【EndNote】
 2019年9月13日(金)17:00 - 18:00
 2019年9月26日(木)17:00 - 18:00

【NVivo】
 2019年9月27日(金)17:00 - 18:00

場所を問わず気軽に参加できるオンラインセミナーをぜひご利用ください。

【オンラインセミナーに関するお問い合わせはこちら】
ユサコ株式会社 アカデミア事業部 営業部 EC Sales
shop@usaco.co.jp

皆様のご参加をお待ちしております。

米国栄養学会:高被引用30論文を無料公開中
 Oxford University Pressは,最新のJournal Citation Reportsで米国栄養学会(The American Society for Nutrition)の以下3誌ともジャーナルインパクトファクターが前年より上昇したことを祝し,2017-2018年の間に刊行された高被引用論文を1誌につき10論文ずつ無料公開しています。

Highly Cited Collection ※公開期間は未定です。
https://academic.oup.com/asn/pages/highly_cited

 ジャーナルタイトル  2018年ジャーナルインパクトファクター
 The Journal of Nutrition  4.416
 The American Journal of Clinical Nutrition  6.568
 Advances in Nutrition  7.240

・American Society for Nutrition Journalsホームページ
https://academic.oup.com/asn

Microbiology Society:プラットフォームをアップグレード
 Microbiology Societyは8月9日にジャーナルのプラットフォームをアップグレードしました。ユーザーエクスペリエンス向上のためレスポンシブデザインを使用し、すべてのデバイスからの視認性が改善されました。

 管理者アカウントやアクセスに必要な設定情報は全て新プラットフォームに移行されています。同様に,過去の利用統計も引き続き取得することができます。

 また,従来の論文URLから新プラットフォームへのリダイレクト設定がされているため,フルテキストへのアクセスは維持されています。

 詳細はMicrobiology SocietyのFAQをご参照,もしくは弊社までお問い合わせください。

Microbiology Society ジャーナル・トップページ
https://www.microbiologyresearch.org/

Microbiology Society Platform Upgrade FAQs
https://www.microbiologyresearch.org/frequently-asked-questions#2

クラリベイト・アナリティクス:研究者向けWebセミナーのお知らせ
    データベース「Web of Science」を提供するクラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社は,2019年に開催する研究者向けWebセミナーのスケジュールを公開しました。

▶ 論文作成に役立つ研究メソッド(仮題)
 ➀9/25(水)16:00~16:45
 ➁10/9(水)16:00~16:45
 
 対象:論文を執筆する教職員・若手研究者・学生の皆様

▶ 使ってみよう!Web of Science(仮題)
 10/24(木)15:00~15:45

 対象:学生の皆様

▶ 論文投稿戦略メソッド
 ~ジャーナルを知り,良いジャーナルを選ぶには~(仮題)
 11/6(水)16:00~16:45

 論文の評価は投稿先によっても大きく変わります。適切かつ信頼できるジャーナルを選ぶポイントをお伝えします。

 対象:研究者の皆様

▶ 論文作成に役立つ研究メソッド(仮題)
 ➀11/28(木) 16:00~16:45
 ➁12/5 (木) 16:00~16:45

 対象:研究者の皆様

お申し込み,詳細は以下をご覧ください。
 https://clarivate.jp/web-of-science-group-web-seminar-annual-schedule/

展示・セミナーのご案内
       
日時 展示・セミナー名 会場
2019年9月11日(水)

JMLA/JPLAコンソーシアム説明会(東京)

北里大学白金キャンパス
2019年9月12日(木)
~9月13日(金)

大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)版元提案説明会

一橋大学一橋講堂・中会議室
2019年9月12日(木)
~9月14日(土)

日本動物学会

大阪市立大学杉本キャンパス
2019年9月18日(水)

JMLA/JPLAコンソーシアム説明会(京都)

京都テルサ
2019年9月18日(水)
~9月20日(金)

日本生化学会大会

パシフィコ横浜
2019年9月21日(土)
~9月22日(日)

日本質的心理学会

明治学院大学白金キャンパス
2019年10月5日(土)

日本病院ライブラリー協会研修会

亀田総合病院
2019年11月13日(水)

図書館総合展
※本年はフォーラムのみ出展

パシフィコ横浜
2019年11月30日(土)
~12月1日(日)

日本看護科学学会学術集会

石川県立音楽堂,ANAクラウンプラザホテル金沢,ホテル金沢,もてなしドーム
2019年12月3日(火)
~12月6日(金)

日本分子生物学会年会

福岡国際会議場,マリンメッセ福岡
2020年2月27日(木)
~2月28日(金)

日本臨床栄養代謝学会学術集会

国立京都国際会館、グランドプリンスホテル京都、みやこめっせ

ユサコニュース一覧に戻る