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2003/09/30:第134号BMJオンライン:2005年から有料化
 

BMJオンライン:2005年から有料化
BMJ Publishing Groupは本年8月、British Medical Journal(BMJ)の
オンライン版を2005年から有料化することを発表した。

 BMJは英国医師会(British Medical Association: BMA)のオフィシャル
誌で、世界に10万人以上の購読者を持つ著明な医学系ジャーナルである。
BMJオンラインでは1994年以降に収録した論文のフルテキストを1995年から
無料で提供しており、毎週13万件以上のアクセスを数えている。

 BMJ Publishing Groupでは、BMJオンライン有料化の理由として、冊子体
購読の減少をあげている。近年のインターネットの発展により、無料で閲覧
できるオンライン版を主に利用する購読者が増え、冊子体の購読をキャンセル
するケースが急激に増加した。今年の冊子体購読者数は昨年と比較して約10%も
減少している。オンライン版の有料化において機関購読価格などは未定であるが、
個人購読者に対して年間購読料を10ポンドから12ポンド(約2000円)を課金する
予定である。

 BMJ Publishing Groupでは、BMJオンライン版の有料化に対する利用者の
意見を公開している。他の主要医学系ジャーナルと比べて個人購読料が安価な
こともあり、有料化に賛同する利用者が多数を占めるが、BMJはCanadian
Medical Association Journal(CMAJ)やMedical Journal of Australia
(MJA)と並び、無料でオンライン版を提供する代表的な医学系ジャーナルで
あるため、有料化の傾向が他の無料オンラインジャーナルへ波及するのを
懸念する声も多く見られる。

 インターネットで提供するコンテンツは印刷費や郵送料がかからず、無料で
提供されるものと思われがちであるが、世界的に認知されアクセス数が増えると、
ウェブサイトの維持費用もかさむことになる。BMJのように、オンライン版が
発展することによって従来の冊子購読が減り、収益が減少する例も少なくない。
なお、BMJ Publishing Groupでは、BMJの他に、現在オンラインで無料で提供
している「Injury Prevention」も2004年から有料化する予定である。

<参考資料>
BMJホームページ:オンライン版有料化について
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/327/7409/241

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