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2006/06/30:第164号標準化・協調が進むメタサーチ仕様
 

標準化・協調が進むメタサーチ仕様
横断検索・統合検索を意味する語としての「メタサーチ」は学術情報検索のみならず一般にも
浸透し,情報検索に携わる者にとっての基本語彙となった。各ベンダーからも相次いでメタサーチ
製品がリリースされ,中には検索結果を自動的にトピックスごとに分類するクラスタリング機能を
有するものもあり,市場は活況を呈してきている。

 このメタサーチの仕様標準化はNISO MetaSearch Initiativeが進めており(本誌156号トピックス
参照),「アクセス管理」「コレクションとサービスの記述」「検索」の3分野の標準化タスクグループが,
その成果の公開を開始している。同時に,その基となっている米国議会図書館のSRU(Search /
Retrieval via URL)とCQL(Common Query Language)の仕様の整備も進められている。 しかし,
これらの仕様は学術情報検索への対応を念頭に置いているため,柔軟である一方,仕様が複雑化し,
かつてのZ39.50同様に実装が困難となる傾向がある点が懸念される。

 一方,2005年3月に米Amazon.com傘下のA9.comが発表したOpenSearchは,Webの世界で確実に
普及を続けている。OpenSearchは比較的シンプルな仕様で実装が簡単であり,出力形式はRSSを
ベースとしている。学術情報検索サイトとしてはすでにPubMedが対応しているほか,
Internet Explorer 7やFirefox 2といったWebブラウザでOpenSearchへの対応が予定されており,
OpenSearch対応のWebサイトを訪れるとWebブラウザが検索エンジンを自動的に認識し,簡単に
検索エンジンのリストに加えることができるようになるとされている。

 このような動きを受け,2006年4月にSRUのRobert Sanderson博士がA9.comを訪問し,SRUと
OpenSearchの協調について話し合いがもたれた。OpenSearchのシンプルさを保ったままSRUの
柔軟性を活用できるよう,OpenSearchでのCQL要素の利用や,相互の出力フォーマットの変換等に
ついて検討が行われ,今後も対話が継続されるとのことである。

 引き続きNISOによりメタサーチ技術の標準仕様が整備され,またSRUとOpenSearchが相互に
歩調を合わせることにより,検索機能を提供するサイト側の仕様への準拠が進み,利用者にとって
より使いやすいメタサーチ環境が提供されることが期待される。

<参考資料>
・NISO MetaSearch Initiative
http://www.niso.org/workrooms/mi
・SRU:Search and Retrieve via URL(Standards, Library of Congress)
http://www.loc.gov/standards/sru/
・A9.com OpenSearch
http://opensearch.a9.com/
・A9 Developer Blog: Rob Standerson visits A9.com
http://blog.a9.com/blog/2006/04/14/rob-sanderson-visits-a9com/
・本誌156号【トピックス】
 「XMLゲートウェイを用いたメタサーチ標準化の動向」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=36&dispmid=605

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