本文へスキップします。

H1

ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2006/08/31:第166号利用統計評価ツールの新たな流れ
 

利用統計評価ツールの新たな流れ
オンライン情報サービスの利用統計フォーマットの国際的統一化を推進するプロジェクト
「 COUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources)」が発表した
国際標準仕様は,現在,オンライン情報サービスの利用統計フォーマットとして,大手出版社や
ベンダーの多くに採用されている。

 これにより,利用者は統一されたフォーマットの利用統計データを入手できることになるが,
その提供形態はe-mailやFTP,あるいはサイトからのダウンロードなど,出版社やベンダーごとに
異なり,図書館員の間では利用統計データの分析に時間と労力がかかると不満の声も上がっている。

 MPS Technologies Ltd は本年1月,ScholarlyStatsを発表した。このサービスは出版社や
ベンダーが提供する様々なフォーマットの利用統計情報を収集し,そのデータを標準化することで,
図書館員の利用統計データ分析をサポートする。ScholarlyStatsはPALINET,Michigan Library
Consortium(MLC),Carolina Consortiumといった米国のコンソーシアムで導入済みであり,
多くの図書館員から好評をもって迎え入れられている。

 一方,Thomson Scientificも,先ごろJournal Use Reportsを発表した。COUNTER準拠の利用統計を
分析するツールを提供するほか,大学所属の研究者の論文生産実績や大学所属の研究者の
引用実績等の分析にも活用できる。

 先月,両社はScholarlyStatsとJournal Use Reports との間でSUSHI(Standardized Usage
Statistics Harvesting Initiative)を利用したデータの相互交換テストに成功したと発表した。
SUSHIは,元々ERMS(電子情報資源管理システム)からの利用統計データ取得を簡素化する
目的で,NISO(米国情報標準化機構)が仕様策定を始めたプロトコルである。

 また,Ex Libris社も自社のERMSであるVerdeとScholarlyStatsとの間でデータ交換テストに成功した
と発表している。

 このように,利用統計の活用をめぐる業界の動きは,統計データの統一フォーマットを策定する
段階から,その標準化された形式のデータをいかに容易に活用するかという,より高次の段階に
移りつつある。

 近い将来,これらの新しいサービスにより,図書館員が利用統計結果を多角的に分析し,
費用対効果の高いコレクションの収集・構築が容易になると期待される。

<参考資料>
・ScholarlyStats
http://www.scholarlystats.com/
・Journal Use Reports
http://www.thomsonscientific.jp/products/jur/
・SUSHI(Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative)
http://www.niso.org/committees/SUSHI/SUSHI_comm.html 

ユサコニュース一覧に戻る