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2003/02/28:第127号参考情報: PubMedを取り巻く動き
 

参考情報: PubMedを取り巻く動き
ブッシュ米大統領は2月2日、医療保険連邦機関に対する2004年度の予算枠を、今年度の前年比15%増から、同2%増に大幅に縮小する計画を明らかにした。イラクに対する武力攻撃が秒読み段階に入ったことで多額の財政赤字が予想されることから、ほとんどの連邦機関に対する予算が削減される見込み。

米国最大の連邦医療助成機関、国立保健研究所(the National Institute of Health)では、1998年度から5年連続で前年比約8%増の予算枠を連邦政府から得ており、今回提出された予算が成立すると、来年度予算は280億ドルにとどまり、前年比率が2%まで落ち込むことになる。

現在、1万人以上の研究者が同研究所から資金援助を受けており、専門家は、今回の政府予算案は今後の医療技術の発展を大きく妨げることになる、と懸念している。世界最大の医学ジャーナルデータベース、PubMedの作成機関である国立医学図書館(the National Library of Medicine)も、同研究所から多額の資金援助を受けて運営されており、今後の医学情報リソースの発展にも少なからず影響を与えそうだ。

医療研究費用は年々値上がりする傾向にあり、前年より2%多い予算を得たとしても、現在の研究レベルを維持することすら困難、と見ている専門家も多い。
同研究所のロナルド=ポプケ次長代理は、「今回の予算案が与えるショックは大きい。(研究者からの)反応もきわめてネガティブだ」と、医学界に与える影響を懸念している。また、米国医科大学協会(the Association of American Medical Colleges)政府関係セクションのデーブ=ムーア副部長は、「2、3%だけの予算増加率が2、3年続けば、今までの研究成果さえも失うことになってしまう」と、今回の予算案を非難している。

連邦政府はこれに対し、化学兵器、及びバイオテロに対する特別予算として14億ドルを投入することで、全体的な医療研究費用を維持できると主張しているが、それでも2004年度の総医療関係予算の前年比は7.4%まで落ち込むことになり、研究機関への助成金の削減は避けられない見通しだ。

 関連サイト:"NIH braces for Bush's budget to brake trend of rising funds"
<Washington Post, Feb. 3, 2003>
http://www.bayarea.com/mld/cctimes/5093316.htm

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