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2008/12/28:第191号 アンドリュー・メロン財団:2008年度MATC受賞プログラムを発表
 

アンドリュー・メロン財団:2008年度MATC受賞プログラムを発表

アンドリュー・メロン財団(Andrew W. Mellon Foundation)の情報技術研究(RIT:Research in Information Technology)プログラムは,2008年度のMATC(Mellon Awards for Technology Collaboration)受賞者を発表した。2006年度にスタートし,今年で3年目を迎えるMATCは,機関独自のオープンソースソフトウェアの発展や,オープンソースの発展を支える共同コミュニティの構築に大きく貢献した非営利機関を表彰するものである。

 MATCを申請するプログラムに求められる基準としては,以下4点があげられている。申請プログラムが実際に有効なソースコードとともにすでに一般公開されているオープンソースプロジェクトであり,開発途中にあるものではないこと。財団の5つの伝統的基盤:a)人文科学分野を特に重視した高等・大学教育,b)図書・学術コミュニケーション,c)芸能,d)保護・環境,e)美術館・博物館および芸術の保護のうち,一つもしくはそれ以上の項目に直接的・および明らかに意義のある利益を提供すること。財団の厳しい基準をクリアすること。承認済みオープンソースライセンスの元で,アカデミック・コミュニティが自由に利用できる知的財産の発展を含むこと。

 受賞者の選定および賞金額の決定は,米Mozilla Corporation CEOのMitchell Baker氏や,World Wide Web Consortiumディレクター・World Wide WebインベンターのTimothy Berners-Lee氏をはじめとする8名の選定委員会により実施され,受賞者には,組織間協力とオープンソースソフトウェアの発展に寄与するための機会が与えられるとともに,財団より50,000ドル(約460万円)もしくは100,000ドル
(約920万円)の賞金が贈られる。

 過去のプログラムを振り返ってみると,“Moodle”や“Sakai”などに代表されるコース(授業)管理システム(CMS:Course Management System)の開発・協力活動に関するプログラムが,3年間で8回(2006年度4件,2007年度3件,2008年度1件)選ばれており,その他,視覚障害者向けプロジェクト,次世代型OPAC,美術・博物館向けコレクション管理システム,3Dデザイン環境ツール関連の受賞を複数確認することができる。2008年度に関しては,マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois, Urbana-Champaign)が,それぞれネットワーク認証プロトコル“Kerberos”とアーカイブツール“Archon”プロジェクトへの取り組みに対し,賞金100,000ドルを受賞した。どちらも,学術情報の電子化で必要性が認識されてきた事柄に対するプロジェクトと言ってよいだろう。

 授与された賞金の多くは,対象プロジェクトの改良,サポートの安定化ために利用されている。次年度の詳細に関してはまだ正式にアナウンスされていないが,利用者の開発力をサポートする,こうした取り組みが今後も継続されることを願う。以下,過去3年間の受賞機関とプログラムを参考のため付記する。

・アンドリュー・メロン財団 情報技術研究プログラム プレス・リリース
http://matc.mellon.org/press-release
・アンドリュー・メロン財団 ホームページ
http://www.mellon.org/

【参考:過去3年間の受賞機関とプログラム】
2006年度
・フンボルト州立大学(Humboldt State University)
  コース(授業)管理システム“Moodle”のサポート
・インターネットアーカイブ(Internet Archive)
  Webクローラ“Heritrix”の開発
・ワシントン大学(University of Washington)
  メールツール“IMAP / PINE”の開発・サポート
・オープン大学(イギリス)(Open University)
  コース(授業)管理システム“Moodle”のサポート
・プリマス州立大学(Plymouth State University)
  次世代OPAC“Scriblio(当時WPOPAC)”の開発
・Rensselaer Polytechnic Institute
  カレンダサーバ“Bedework”への取り組み
・Universitat de Lleida(スペイン)
  コース(授業)管理システム“Sakai”への取り組み
・ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)(University of British Columbia)
  オープンソースソフトウェアの開発・普及を進める“Public Knowledge Project”
・バージニア工科・州立大学(Virginia Polytechnic Institute and State University)
  コース(授業)管理システム“Sakai”のサポート
・イェール大学(Yale University)
  シングルサインオンシステム“Central Authentication Service”の開発・貢献

2007年度
・アメリカ映像博物館(American Museum of the Moving Image)
  美術コレクション管理システム“CollectiveAccess(当時OpenCollection)”の開発・公開
・デューク大学(Duke University)
  3-Dバーチャル環境“OpenCroquet”の指導・開発
・Open Polytechnic of New Zealand
  コース管理システムNZOSVLEを含む複数のオープンソースプロジェクトの指導・開発
・Georgia Public Library Service of the University System of Georgia
  図書館自動化システム“Evergreen”の開発・公開
・ミドルバリーカレッジ(Middlebury College)
  コース管理システム“Segue”の開発・公開
・Participatory Culture Foundation
  メディアプレーヤー“Miro media player”の開発・公開
・スウェーデン国立録音点字図書館(スウェーデン)(Talboks- och punktskriftsbiblioteket)
  視覚障害者向けプロジェクトDaisyサポートツールの開発・公開
・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois, Urbana-Champaign)
  Firefoxエクステンションの開発・公開
・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois, Urbana-Champaign)
  エンタープライズアプリケーション統合プロジェクト“OpenEAI”の開発・公開
・トロント大学(カナダ)(University of Toronto)
  コース管理システム“ATutor”の開発・公開

2008年度
・マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)
  ネットワーク認証プロトコル“Kerberos”の開発・公開
・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois, Urbana-Champaign)
  アーカイブツール“Archon”プロジェクトの指導・開発
・Appalachian College Association
  LAMPコンソーシアムの指導
・カーネギーメロン大学(Carnegie-Mellon University)
  3Dデザイン作成ツール“Panda 3D”および“Alice”の開発・公開
・Ecotrust
  海洋保護活動のための協力ツール“Open OceanMap”の開発・公開
・フットヒルカレッジ(Foothill College)
  コース管理システムSakaiの評価エンジン“Mneme”の開発・公開
・ジョージ・メイソン大学(George Mason University)
  小規模博物館コレクションの管理・活用システム“Omeka”の開発・公開
・ロンドン大学キングス・カレッジ(イギリス)(King’s College London)
  学術注約ツール“Pliny”の開発・公開
・University of Waikato(ニュージーランド)
  電子図書館ソフト“Greenstone”の開発・公開
・ワシントン大学(University of Washington)
  視覚障害者向けプロジェクト“WebAnywhere”の開発・公開
・Villanova University
  次世代型OPACプロジェクト“VuFind”の開発・公開

Pharma Vision 2009開催のご案内

トムソン・ロイター サイエンティフィックは,東京・大阪において,医薬品業界の方々を対象とした
セミナー「Pharma Vision 2009」を開催します。

 本セミナーは,2008年2月に開催されたプロウス・トムソンサイエンティフィックフォーラムの後続
セミナーにあたり,具体的なユーザ事例を交えた同社製品・サービスに関するプログラムのほか,
外部講師による「バイオマーカー」についての基調講演が予定されています。

 プログラムの詳細が決まり次第,改めて本誌にてご紹介します。

【日程・会場】
<東京会場>
2009年2月24日(火)
〒108-0075東京都港区港南1-9-39
東京コンファレンスセンター・品川
アクセス&マップ:http://www.tokyo-cc.co.jp/access.html

<大阪会場>
2009年2月26日(水)
〒540-0029大阪府大阪市中央区本町橋2-31
シティープラザ大阪
アクセス&マップ:http://www.cityplaza.or.jp/hotelinfo/access.html

※両会場とも開催時間は10:00−16:30を予定しています。

【参加費用】無料

【お問い合わせ・お申し込み先】
ユサコ株式会社 ライブラリーアンドエージェント事業部
Tel: 03-3505-3256 Fax: 03-3505-6282


Ex Libris:Primo導入機関が100を突破

Ex Libris社は,同社の次世代図書館ポータルPrimo(プリモ)の導入機関数がヨーロッパおよび
北米で増加し,本年12月現在,15カ国100機関を超えたことを発表しました。

 ベルギーCatholic University of LeuvenのJo Rademakers氏は,Primoを選択した決定的要素として,複雑なコンソーシアムに対応するサポート力,Web2.0的機能,オープンインターフェースを挙げ,
来春の稼働を予定していることを述べています。

 また,ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)のRue Ramirez氏は,情報の
発見(ディスカバリー)とその入手(デリバリー)を利用者の目線で実現することの重要性を強調したうえで,Primoの強固なAPIが図書館のニーズを満たすコード拡張を可能にし,さらにはPrimo利用機関のコミュニティにも役立つだろうと述べています。

 米Northwestern Universityは,電子リソースと冊子目録を統合し,分散するコレクションに単一の入口からアクセスする手段として,Primoを選択しました。Sarah Pritchard氏は,Primoがすでに導入している複数のEx Libris社製品を円滑かつ効果的に結合するものとなることを期待しています。

 Ex Libris社は,すべてのタイプと規模の図書館のニーズとグローバルマーケットのニーズに対応するために,同社の他の製品と同様に,顧客基盤と密接に連携して製品の機能を継続的に強化していくと述べています。

Primoの詳細については,弊社までお問い合わせください。


・Ex Librisプレス・リリース
http://www.exlibrisgroup.com/catid={916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD2ADADEB88}&itemid=
{2A9A3E1B-210D-417B-AF7A-127446483143}
・本誌2008年新春号記事「Primo:ボストンカレッジがPrimoベータ版を公開」 https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=63&dispmid=605

ユサコ年末年始休業日のお知らせ

弊社の年末年始休業日について以下の通りお知らせいたします。

  2008年12月26日(金)14時より休業(14時までは平常通り,営業)

  2008年12月27日(土) 〜 2009年 1月 4日(日) 休業

  2008年 1月 5日(月) 平常通り,営業

 お客様にはご不便をおかけしますが,予めご了承くださいますよう宜しくお願いいたします。

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