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2003/04/30:第129号NISOのCommittee AXがOpenURLの提案規格を公開
 

NISOのCommittee AXがOpenURLの提案規格を公開
NISO (National Infromation Standard Organization) はOpenURL 1.0
(Z39.80 - 2003)の公開を本年3月より開始した。NISOは米国規格協会(ANSI)の
構成団体であり、情報関係の標準化に特化している。その中でCommittee AX と
呼ばれるプロジェクトチームがOpenURL担当として2001年より審議を重ねてきた。

 元々OpenURLは、学術情報分野の利用者を最適な情報へのリンキングを実現する
ために、ベルギー人のヘルベルト・バン・デ・サンペル氏らのグループにより提案され、
既に多くのベンダーに採用されてきた。Committee AXではその提案を基に、
学術データベース以外の様々な情報ソースに対応することを目標に掲げ仕様を
拡張した。

 OpenURLはリンクの起点となる文献の書誌情報(メタデータ)や識別子を
パッケージ化し、ネットワーク上のリンク管理サーバ(リゾルバー)にURLとして
送るための表現方法などを規格化している。リゾルバーは、リンクをリクエストした
利用者がどのような文献を閲覧していたかを、受取ったOpenURLから読み取り、
その利用者(または利用機関)にとって相応しいリンク先を算出する。そのリンク先を
ナビゲーションメニューとして利用者に提示することで、状況判断型のリンキング
(Context Sensitive Linking)が実現できる。Ex Libris社のS・F・Xはリゾルバーの
代表として知られている。

 本バージョンより、リンクの起点となる文献を「ContentObject」と呼称し、
そのContentObjectに関する書誌情報(metadata)や識別子(Identifier)の
記述方法を様々なソースに対応させるべく多様化したほか、英語以外のメタデータを
URLとしてコード化する方法も新たに定義している。

 Committee AXは本年5月1日から11月1日までの6ヶ月を正式リリース前の調整期間
として、情報ベンダー、リゾルバー提供機関、図書館などの利用機関に対し、評価に
参加するよう呼びかけている。すでにベルギーのフリイエ大学、Ex Libris (USA)社、
OhioLINKなど約10機関がトライアルに参加することを表明しているが、日本語資源の
検証のためにも国内の文献検索サービスを行っている情報ベンダーがOpenURL1.0をテスト
することが望まれる。

参考資料:

・米国国際標準化機構(NISO)ホームページ
http://www.niso.org/standards/resources/OpenURL-release.html

・米国国際標準化機構(NISO)、Committee AXページ
http://www.niso.org/committees/committee_ax.html

・de Velde, E.F. "OpenURL Standardization Moving Forward"
D-Lib Magazine, Vol.8, No.2
http://www.dlib.org/dlib/february02/02contents.html

※ OpenURL Standard version 1.0は以下のカリフォルニア大学ウェブサイト
からダウンロードが可能です。
http://library.caltech.edu/openurl/Public_Comments.htm

・ユサコ株式会社 増田 豊 "学術リンキング−S・F・XとOpenURL−"
情報管理 45巻9号 Page613-620(2002.12)

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