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米国スタンフォード大学図書館が運営する電子ジャーナルプラットフォームHighWire Pressは,世界13ヶ国138名の図書館員を対象に,電子ブックのビジネスモデルや諸機能,購入要因や要望などを調査・分析した報告書“2009 Librarian eBook Survey”を2010年3月に発表した。 報告書によると,図書館利用者による電子ブック利用を妨げる要因として“非常に影響が大きい”と考えられている項目には1位:デジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)(約44%),2位:スクリーン/オンラインで読書することの難しさ(約26%),発見の難しさ(約26%),3位:冊子体を好む(約22%)が挙げられている。 DRMについてはさらにダウンロードの制限,印刷制限,保存制限,カット&ペーストの制限,アクセス時間の制限,ILL禁止という6種類の項目別に図書館員の考える許容範囲を確認している。全体的に見るとやはりDRMによる制約を歓迎しない意見が多いものの,保存制限,ダウンロード制限,印刷制限に関してはそれぞれ約4割の図書館員が“多少許容できる”と考えており,一定の理解を示している図書館員も少なくないことが分かった。ただし,,については許容できないという回答が目立った。 2位に挙げられている「発見の難しさ」と「スクリーン/オンラインで読書することの難しさ」は,プラットフォームの機能との相互関係を持つという。プラットフォームの機能としては,使いやすさ,OPACとの統合,Metadata/MARCレコードの入手が重要と報告されており,電子ブックの発見にはOPACからの検索を可能にすることや,そのためのMARCレコード付与が与える影響が大きく,スクリーン/オンラインでの読書にはプラットフォームそのものの使いやすさを向上させることの影響が大きいと考えられる。なおOPACは,電子ブックを発見する際の最も一般的な方法として挙げられインターネットサーチエンジンがそれに続いた。 3位に挙げられている「冊子体を好む」に関して,報告書では,利用者と接する機会の多いレファレンス・教育支援を中心に重要視している項目であることを指摘している。 こうした調査結果と呼応するかのように,電子ブックの提供側も購入促進の策を打ち出している。ebraryは,利用者主導の電子ブック購入モデルとなる“Patron Driven Acquisition(PDA)”パイロットプログラムを導入し,エルゼビアも様々な割引キャンペーンのほかに,1年間の利用実績に基づき単行本の購入タイトルを選定できるお試しプランを提案している。 2009 Librarian eBook Surveyでも図書館員は電子ブックの普及のためには洗練されたエンドユーザ機能よりも,シンプルさと簡単さを重要視している。また,電子ジャーナルでも言えることだが,管理方法の確立も重要な要素になっている。そのような項目が認識されているが, 5年後の予算規模を問う設問では,5割以上の回答者が全予算の11-50%を電子ブック予算に充てることを予想し多くの図書館員が今後の成長に関しては肯定的であった。 ・HighWire Press:Fall 2009 librarians' survey on eBooks http://highwire.stanford.edu/PR/PR_HWeBookSurveyResults_4Mar10.pdf ・ebraryプレス・リリース:Patron Driven Acquisition Pilot Program http://www.ebrary.com/corp/newspdf/ebrary_PDA.pdf;jsessionid=LCMHAOIKDPPJ ・本紙202号トピックス:電子ブックに関する最近の調査報告 https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=86&dispmid=605
Ex Libris社が提供する次世代OPAC,Primoのバージョン3.0がリリースされました。 バージョン3.0では,これまで別ウィンドウで提供されていた外部システムからの情報をPrimoインターフェイスに統合することで,一画面でより豊富な情報を利用者に提供することができるようになりました。 バージョン3.0のポイントの一部をご紹介します。 ・インターフェイス:検索結果一覧ページ内ですべての関連情報を閲覧できます。 iPhoneからのアクセスもサポートします。 ・Primo Centralとの統合:膨大な学術資料のインデックスを集めたPrimo Centralの検索 結果とローカルの検索結果を合わせた,単一の関連度ランク順リストを表示します。 ・OPACの機能を統合:貸出期間の延長や予約状況の確認などの図書館サービスをPrimoのメイン 画面から利用できます。 ・レコメンデーション:Ex Librisの論文記事レコメンダーサービス「bX」とUniversity of Karlsruheの図書 館目録レコメンダーサービス「BibTip」と連携します。 ・検索/表示機能の強化:「〜で始まる」検索,著者/タイトルによるソート,昇順/降順切り替えを サポートしました。 その他,多言語シソーラスへの対応や管理画面の改善なども行われています。 Ex Libris社のPrimoシニアプロダクトマネージャーのGilad Gal氏は,「バージョン3.0は当社と顧客との協力体制の成功を象徴するものである」と述べ,Primo開発パートナーの一つであるUniversity of IowaのPaul A. Soderdahl氏は,「Primoバージョン3.0により,今までにないただ一つの検索窓が実現したことに大変興奮している」とコメントを寄せています。 Primoのコミュニティは急速に拡大しており,2010年5月現在,6大陸29ヶ国にわたる270以上のサイトがPrimoを採用しています。 ・Ex Libris社プレスリリース http://www.exlibrisgroup.com/default.aspcatid=%7B916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD2ADADEB 88%7D&details_type=1&itemid=%7BF684B820-7B7C-45E2-B2BF-F761B50AB1AD%7D ・本誌184号 「Ex Libris:Primoバージョン2.0をリリース」 https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=67&dispmid=605 ・本誌197号 「Ex Libris:Primo Centralを発表」 https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=81&dispmid=605
2010年5月,OvidSPのインターフェイスに新たに日本語が追加されました。 日本語版インターフェイスは,OvidSP Version 3.0で提供されています。現在Version 2.3をご利用の方は,トップページにある[Try it Now]ボタンをクリックすることでVersion 3.1へ移動することができます。 英語以外の言語では,すでにフランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語(簡体字・繁体字)が提供されており,いずれの言語もメイン検索画面の下部にあるハイパーリンクをクリックすることで切り替え可能です。 なお,デフォルト言語を日本語に設定する場合は,Ovid Japan Officeまでお問い合わせください。 ・Ovid Technologies Japan Office http://www.ovid.jp/site/index.html E-Mail : japan@ovid.com ・弊社Ovid紹介ページ http://www.usaco.co.jp/products/ovid/index.html
エルゼビアは,同社がScience Direct(サイエンス・ダイレクト)で提供する電子ブック(単行本)を対象に,導入機関が利用実績に基づき購入タイトルを選定することのできるお試しプランを提案しています。 単行本お試しプランでは,希望する単行本パッケージを割安価格(定価の50%〜10%)で1年間購読し,利用実績を見た上で,期間終了の60日前までに支払金額相当分のタイトルを選んで購入することができます。 ※対象:大学・政府系機関のみ その他にも,単行本・レファレンスワーク・ブックシリーズなどの各種お得な割引キャンペーンが期間限定で提供されています。詳細については弊社までお問い合わせください。 ・弊社Elsevier電子ブック紹介サイト http://www.usaco.co.jp/products/elsevier/index.html ・Elsevierホームページ http://japan.elsevier.com/products/sd/books.html
英国化学会(RSC:Royal Society of Chemistry)は,1968年以降に出版された権威ある900以上の化学書籍を電子的に提供しています。この度,電子ブックコレクションの購入プランにサブジェクト別のパッケージが追加されました。 サブジェクト別パッケージ(9分野) ・チュートリアル化学テキストブック&ペーパーバックシリーズ ・食品科学 ・物理化学 ・有機化学 ・環境化学 ・分析化学 ・材料科学とナノ科学 ・産業&薬品科学 ・生物科学 購入タイプは以下の2種類です。 ・2000年−2009年刊行タイトルパッケージのみ ・2000年−2009年刊行タイトルパッケージ + 2010年新刊パッケージ 詳細については弊社までお問い合わせください。 ・RSC:New RSC eBook Subject Collection http://www.rsc.org/Publishing/librarians/ebookpackages.asp
ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は,Nature Chemistryの創刊1周年を記念し,2009年4月の創刊号から2010年3月までに同誌に掲載された記事の中から編集部が選定する一部の記事を,2010年6月末まで無料公開しています。 Nature Chemistryは,化学のあらゆる領域における最も重要な最先端の研究成果について報告する高品質の論文を掲載する月刊ジャーナルです。分析化学などの従来の中心テーマに加え,環境化学,医薬品化学などを含めた幅広い領域の化学研究を収録します。その他,生物無機化学,生物有機化学,有機金属化学,物理有機化学などの分野をまたいだトピックも扱っています。 ・Nature Chemistry無料公開記事一覧 http://forcast.emailalert.jp/c/ac51ae5gnwjNn4ab ・Nature Chemistryについて http://www.natureasia.com/japan/nchem/journal_information/index.php
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