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USACO News:詳細

2015/03/31:第259号 学術資料のアクセス権と再利用条件の表記
 

学術資料のアクセス権と再利用条件の表記

   学術誌の刊行モデルとして定着しているオープンアクセス(OA)の中には購読料なしで全コンテンツが閲覧できる完全無料型の他に,刊行から一定の期間を経るとOA化されるエンバーゴや,有料誌であっても著者が費用を払うことで論文単位にOA化することができるハイブリッド型が存在する。各国で公的な資金助成を受けた研究成果をOA化する方針が拡大する動きにともない,無料でアクセスできるコンテンツは増えている。しかしながら部分的に公開されるOAコンテンツはその発見や判別がしづらいことが少なくない。また, そのコンテンツはどこまでの範囲で利用が許されているのか知るには時間を要すことも多い。

   米国情報標準化機構(NISO)は論文のアクセスステータスやその利用権限の表記についての推奨指針“Access License and Indicators”を2015年1月にリリースした。この指針では以下2つのメタデータ要素を定義し送信することが提案されている。

a) free_to_read
資料が費用負担や,その他,登録などの制限なく利用できることをシンプルに示すステータス。開始日・終了日の属性が用意されていて,必要に応じこれらの情報を盛り込むことができる。

b) license_reference
当該資料の再利用について記載されているリンク先(URI)を表記。必要に応じ複数記載することも可能で属性として開始日が用意されている。出版者のライセンス条項ページやクリエイティブコモンズなどのURLが記載されることが想定されている。

 本勧告で新たにロゴや用語,定義を創出することを避け,既に学術コミュニティーで認知されている規範を利用することで汎用性と一貫性を高めている。

   この勧告を普及させるため,出版者,アグリゲーターなどのコンテンツプロバイダーは両要素の作成と付与工程を通常のコンテンツ制作手順の中に盛り込み,CrossRefやその他のDOI登録機関,第3者機関へ提供するメタデータでも必須の項目とすることが望まれている。また,HTMLメタタグやPDFのようにコンテンツの中にも組み込むべきだとしている。JATS,ONIX, OAI-PMH, Dublin Coreのような既存のスキーマやフォーマットを管理している機関も,この新たな要素をどう取り扱うか検討するよう促している。

   この勧告への準拠が業界・コミュニティーで進み,ディスカバリーやリンクリゾルバーにおけるOA判定根拠になれば,OA資料の発見と誘導の精度が上がり活用が更に進むことが期待される。

参考
・Access License and Indicators(NISO RP-22-2015)(NISO, 2015/1/5)
   http://www.niso.org/publications/rp/rp-22-2015

・NISO,論文の入手可能性やライセンス表示についての推奨指針を公開
   カレントアウェアネス No.27811 2015.01.16
   http://current.ndl.go.jp/node/27811

・論文のアクセス権・ライセンス権を表現する試み<文献紹介>
   カレントアウェアネス-E No.269 2014.10.30
   http://current.ndl.go.jp/e1622

・ユサコニュース第245号 APCと学術図書館
   https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=133&dispmid=605

Henry Stewart Talks:新シリーズのご案内

  世界をリードする研究者の講義 (Talks) を提供するサービス: Henry Stewart TalksのThe Biomedical & Life Sciences Collectionに,下記3つの新シリーズが追加されました。  

  1. Bone in Health and Disease  
      http://hstalks.com/?t=BL192
      Editor: Prof. Juliet Compston – University of Cambridge, Cambridge, UK

  2. Animal Models in Biomedical Research
      http://hstalks.com/?t=BL193  
      Editor: Prof. Axel Kornerup Hansen – University of Copenhagen, Denmark

  3. Human Population Genetics II
      http://hstalks.com/?t=BL196
      Editors: Prof. Noah Rosenberg – Stanford University, USA,
                  Prof. Rasmus Nielsen – University of California, USA

  詳細については弊社までお問合せください。  

 ・The Biomedical & Life Sciences Collection  
     http://www.hstalks.com/access  

 ・弊社Henry Stewart Talksホームページ
      http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_1_221.html

Bioscientifica:国内総代理店契約締結のお知らせ    

  このたび,弊社は英国Society for Endocrinologyの子会社:Bioscientificaと,下記雑誌の取扱いについて国内総代理店契約を締結しました。

 European Journal of Endocrinology  
   Endocrine Related Cancer 
   Journal of Molecular Endocrinology  
   Journal of Endocrinology  
   Reproduction

 詳細については弊社までお問合せください。
 ・Bioscientificaホームページ http://www.bioscientifica.com/

EndNote オンライン v3.11 アップデートのご案内

  3月11日,EndNote オンライン(EndNote basic,デスクトップ版に付属するオンライン版)のアップデートが実施されました。 これにより,新機能『Manuscript Matcher』の追加とインターフェースデザインの変更が行われました。

  ・Manuscript Matcher機能とは
   Manuscript Matcherとは,執筆した論文のタイトルとアブストラクトを入力することで ,「Web of Science」データベース内から投稿に適しているジャーナルを予測・提案してくれる機能です。
   提案されたジャーナルのウェブページにすぐ移動できるボタンが表示される他,インパクトファクターもあわせて表示されます。

  ・Manuscript Matcher機能の使い方
  1. EndNote オンライン(またはEndNote basic)にログインし,新しく追加された「Match」タブ(日本語設定の場合は「一致」タブ)を選択します。

  2. 表示された画面にタイトルとアブストラクトを入力し,「ジャーナルを検索」をクリックします。

   更に,執筆論文内で引用した文献を集めたグループをEndNote内に作り,Match画面の「レファレンス」プルダウンからそのグループを選択すれば,予測機能の精度を向上させることができます(約30%アップ)。

 詳細については下記ページをご参照ください。
 http://endnote.com/product-details/manuscript-matcher

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