ユサコニュース
2013年 第238号
学術誌の購読価格の妥当性に対する疑念は根強いものがあり,ときに利用者によるボイコット運動などに発展するケースもある。一方で,購読料が発生しないオープンアクセス(OA)出版モデルは堅調に拡大し既に学術コミュニケーションの一翼を担っている。全面的なOA以外に,一定期間を経るとOA化されるものや,ハイブリッドOAと呼ばれる有料購読誌の一部の論文単位をOAにするなどの形態が混在している。このような中で学術出版には果たしてどの程度のコストがかかっているのか,素朴な疑問が残る。2013年3月Nature誌に掲載された「Open access: The true cost of science publishing」から内容の一部を紹介したい。
OA論文は増加傾向にあり,2011年に出版された論文全体の11%がOAで出版された。
コンサルティング会社のOutsellの調査によると,学術出版業界は180万の英語論文を出版し,2011年に94億ドルの収入を得た。論文1件あたりの平均収入は大まかに5,000ドルで,出版者の利益率を20〜30%と仮定すると,1件あたりの平均費用は3,500〜4,000ドルと推定できる。
OAジャーナルに関しては出版コストを賄うための著者への課金が手がかりになる。Bo-Christer BjorkとDavid Solomonの調査によると,その額は2010年では8〜3,900ドルの範囲であった。代表的なOA出版者であるBioMed CentralとPLoSでは1,350〜2,250ドルである。前述のOutsellの調査によると,2011年の平均課金額は660ドルと見積もられている。BioMed CentralとPLoSからはコストに関する情報は得られなかったが,OA出版関係者の,Paul PetersやBrian Holeによると,OA出版者の内部費用は平均300ドル前後であると述べている。ただし,OAジャーナルの出版者の中には,サーバなどの機材や事務所を提供されている場合もあるので,コストの比較にはこれらを考慮する必要がある。
OA出版者は,新規参入であるための優位性を持っている。オンラインジャーナルの出版モデルが収斂された頃にオンラインのみの刊行ワークフローと最新ツールでスタートしていることが理由として挙げられている。従来からの出版者は冊子による出版からの切り替えや技術の進歩に合わせた投資をしてきた一面を持っている。
コストを比較する上でアクセプト率も大きな要素と考えられる。ピアレビュー後PLoS Oneでは70%の論文が刊行されるが,Natureは8%である。学術出版が持つフィルター機能に対し,Michael Eisenは出版後にダウンロードや引用数などの指標を使うことで論文単位の評価ができるとしている。
記事本文ではこのほかにも出版コストにまつわる主なトピックが網羅されている。一読をお勧めしたい。
・Nature: Open access: The true cost of science publishing
http://www.nature.com/news/open-access-the-true-cost-of-science-publishing-1.12676
世界をリードする研究者の講義 (Talks) を提供するサービス: Henry Stewart TalksのThe Biomedical & Life Sciences Collectionに,2013年4月より新シリーズのDrug Discovery and Development in the Neurosciencesが追加されました。このシリーズには現在10 Talksが収録されています。
The Biomedical and Life Sciences Collectionは毎月新たなTalksが追加されており,コレクションは拡大しております。
・Drug Discovery and Development in the Neuroscience
http://www.hstalks.com/?t=BL151
※すべての動画は最初の5分程度を無料で視聴できます。
※全コレクションの無料トライアルはIPアドレス認証で提供可能です。
詳細につきましては弊社までお問合わせください。
・The Biomedical & Life Sciences Collection
http://www.hstalks.com/access
・弊社Henry Stewart Talksサイト
http://www.usaco.co.jp/products/HST/index.html
Primal Pictures 社が作成する人体の3D解剖図ツールとして世界800以上の機関で利用されているAnatomy.tv の買い切り提供モデルがSTAT!Ref から発表されました。価格は従来の年間購読価格の約5倍に設定されています。
価格は見積ベースになります。
詳細については弊社までお問合せください。
・弊社STAT!Refサイト
http://www.usaco.co.jp/products/statref/
米国サイエンス誌に論文が掲載された日本人研究者・グループを日本語で紹介する特集本,「サイエンス誌に載った日本人研究者」が発行されました。2012年の1年間にサイエンス誌に載った論文の著者である日本人研究者の研究内容やラボについて紹介しています。
下記URLよりPDFがご覧いただけます。
http://www.sciencemag.jp/node/44569
冊子ご希望の場合は,下記までご連絡ください。
Science Japan Customer Service Office
〒541-0046 大阪市中央区平野町1 丁目8-13 平野町八千代ビル6F
Tel: 06-6202-6272 Fax: 06-6202-6271
scimagjp@aaas.org
2013年 第238号
| 学術出版にかかる本当のコスト | |
| 1 | Henry Stewart Talks:新シリーズ追加のお知らせ |
| 2 | STAT!Ref : Anatomy.tvの買い切りモデルを開始 |
| 3 | Science: サイエンス誌に掲載された日本人研究者を紹介する特集本を発行 |
| - | 展示・セミナーのご案内 |
| - | 関連ニュースWebサイト |
学術誌の購読価格の妥当性に対する疑念は根強いものがあり,ときに利用者によるボイコット運動などに発展するケースもある。一方で,購読料が発生しないオープンアクセス(OA)出版モデルは堅調に拡大し既に学術コミュニケーションの一翼を担っている。全面的なOA以外に,一定期間を経るとOA化されるものや,ハイブリッドOAと呼ばれる有料購読誌の一部の論文単位をOAにするなどの形態が混在している。このような中で学術出版には果たしてどの程度のコストがかかっているのか,素朴な疑問が残る。2013年3月Nature誌に掲載された「Open access: The true cost of science publishing」から内容の一部を紹介したい。
OA論文は増加傾向にあり,2011年に出版された論文全体の11%がOAで出版された。
コンサルティング会社のOutsellの調査によると,学術出版業界は180万の英語論文を出版し,2011年に94億ドルの収入を得た。論文1件あたりの平均収入は大まかに5,000ドルで,出版者の利益率を20〜30%と仮定すると,1件あたりの平均費用は3,500〜4,000ドルと推定できる。
OAジャーナルに関しては出版コストを賄うための著者への課金が手がかりになる。Bo-Christer BjorkとDavid Solomonの調査によると,その額は2010年では8〜3,900ドルの範囲であった。代表的なOA出版者であるBioMed CentralとPLoSでは1,350〜2,250ドルである。前述のOutsellの調査によると,2011年の平均課金額は660ドルと見積もられている。BioMed CentralとPLoSからはコストに関する情報は得られなかったが,OA出版関係者の,Paul PetersやBrian Holeによると,OA出版者の内部費用は平均300ドル前後であると述べている。ただし,OAジャーナルの出版者の中には,サーバなどの機材や事務所を提供されている場合もあるので,コストの比較にはこれらを考慮する必要がある。
OA出版者は,新規参入であるための優位性を持っている。オンラインジャーナルの出版モデルが収斂された頃にオンラインのみの刊行ワークフローと最新ツールでスタートしていることが理由として挙げられている。従来からの出版者は冊子による出版からの切り替えや技術の進歩に合わせた投資をしてきた一面を持っている。
コストを比較する上でアクセプト率も大きな要素と考えられる。ピアレビュー後PLoS Oneでは70%の論文が刊行されるが,Natureは8%である。学術出版が持つフィルター機能に対し,Michael Eisenは出版後にダウンロードや引用数などの指標を使うことで論文単位の評価ができるとしている。
記事本文ではこのほかにも出版コストにまつわる主なトピックが網羅されている。一読をお勧めしたい。
・Nature: Open access: The true cost of science publishing
http://www.nature.com/news/open-access-the-true-cost-of-science-publishing-1.12676
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世界をリードする研究者の講義 (Talks) を提供するサービス: Henry Stewart TalksのThe Biomedical & Life Sciences Collectionに,2013年4月より新シリーズのDrug Discovery and Development in the Neurosciencesが追加されました。このシリーズには現在10 Talksが収録されています。
The Biomedical and Life Sciences Collectionは毎月新たなTalksが追加されており,コレクションは拡大しております。
・Drug Discovery and Development in the Neuroscience
http://www.hstalks.com/?t=BL151
※すべての動画は最初の5分程度を無料で視聴できます。
※全コレクションの無料トライアルはIPアドレス認証で提供可能です。
詳細につきましては弊社までお問合わせください。
・The Biomedical & Life Sciences Collection
http://www.hstalks.com/access
・弊社Henry Stewart Talksサイト
http://www.usaco.co.jp/products/HST/index.html
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Primal Pictures 社が作成する人体の3D解剖図ツールとして世界800以上の機関で利用されているAnatomy.tv の買い切り提供モデルがSTAT!Ref から発表されました。価格は従来の年間購読価格の約5倍に設定されています。
価格は見積ベースになります。
詳細については弊社までお問合せください。
・弊社STAT!Refサイト
http://www.usaco.co.jp/products/statref/
米国サイエンス誌に論文が掲載された日本人研究者・グループを日本語で紹介する特集本,「サイエンス誌に載った日本人研究者」が発行されました。2012年の1年間にサイエンス誌に載った論文の著者である日本人研究者の研究内容やラボについて紹介しています。
下記URLよりPDFがご覧いただけます。
http://www.sciencemag.jp/node/44569
冊子ご希望の場合は,下記までご連絡ください。
Science Japan Customer Service Office
〒541-0046 大阪市中央区平野町1 丁目8-13 平野町八千代ビル6F
Tel: 06-6202-6272 Fax: 06-6202-6271
scimagjp@aaas.org
| 日時 | 展示・セミナー名 | 会場 |
| 5月23日(木)〜24日(金) | 第84回NPO法人日本医学図書館協会総会・分科会 | 江東区:日本科学未来館 |
| 6月6日(木)〜8日(土) | 第102回日本病理学会総会 | 札幌市:ロイトン札幌,さっぽろ芸文館 |
| 6月19日(水)〜21日(金) | 第65回日本細胞生物学会大会 | 名古屋市:ウインクあいち |
| 関連ニュース | URL |
| 日本人論文紹介 | http://www.usaco.co.jp/article/index.html |

