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2025/03/05

小口径眼内レンズ(IC8)挿入眼に生じた裂孔原性網膜剥離に対し眼内視鏡併用硝子体手術を施行した一例

論文タイトル
Endoscope-assisted vitreous surgery for rhegmatogenous retinal detachment in a patient with a small-aperture IC-8 intraocular lens
論文タイトル(訳)
小口径眼内レンズ(IC8)挿入眼に生じた裂孔原性網膜剥離に対し眼内視鏡併用硝子体手術を施行した一例
DOI
10.1136/bcr-2024-260476
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
Vol. 17, No. 12 (2024)
著者名(敬称略)
吉岡 和樹 横山 翔 他
所属
独立行政法人 地域医療機能推進機構 中京病院 眼科    飯田市立病院 眼科
著者からのひと言
近年、眼内レンズの改良に伴い、白内障手術により老視の改善が期待できるようになっています。様々なレンズが挿入されていますが、網膜剥離のように後眼部の手術が必要となった際、個々のレンズを通してどのように後眼部が透見できるかの知見は十分に得られていません。今回、IC8眼内レンズ挿入眼の後眼部手術において、広角眼底観察システム下、内視鏡下での手術についての知見と、内視鏡下では眼内レンズの影響を受けず硝子体手術を完遂できる可能性が示唆されました。

抄訳

IC-8 眼内レンズが挿入された眼における裂孔原性網膜剥離の症例を報告する。IC-8はレンズ中央に3.23 mmの黒い不透明部と1.36 mmの開口部を備え、ピンホール技術により焦点深度を拡張している。老視の矯正効果を示す一方で、不透明なリングは後眼部の視覚化を妨げる可能性がある。最初に、Constellation Vision SystemとResight 700広視野角システムを使用して25ゲージ 3ポートの経毛様体扁平部硝子体切除術が行われた。しかし、レンズの不透明部の影響により網膜周辺部の視認性が低いため、その後の処置では眼内視鏡を使用した。眼内視鏡下で、網膜裂孔周囲の硝子体切除、周辺硝子体切除、網膜下液の排出、網膜光凝固術を完遂した。IC-8の不透明なリングは内視鏡観察を妨げなかった。この症例は、IC-8眼内レンズを使用した眼の硝子体手術の安全性と適応性の向上を強調し、困難な眼科手術における広角視野システムと内視鏡システムの両方の有効性を実証しています。

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