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参考文献の書き方

[学生向け] レポート・論文に使える参考文献の書き方

参考文献の書き方も採点対象

参考文献リストの書き方で減点となってしまうことも…



大学のレポートや、卒業論文などの論文を書く際、書籍や先行研究などの論文にあたる必要があるかと思います。引用、参考にした文献については文中、文末に記載し、出典を明らかにする必要があります。参考文献作成の際のルールや例などを解説します。
また、効率化には欠かせないソフトウェアによる自動作成を紹介します。






なぜ参考文献を記載する必要があるのか

参考文献の役割としては以下の4点があります1

  • 自身の論文の新規性、独創性、信頼性の明確化
  • 先行する著者(先人・先輩)に対する敬意
  • 出典の明示
  • 読者に対する情報提供

研究は全て先人たちの業績によって成り立っています。引用、参考にした文献を明記することで、どれが先人たちの業績で、どれが自分の考えなのかを明確にすることができます。 それと同時に、明記することで先人の業績に敬意を払うことにも繋がります。

そして、レポートや論文を読んだ人も参考文献を確認できるように、十分な情報を記載する必要があります。

本文中の関連付けの書き方の例

本文と参考文献リストとの関連付けは主に2種類のスタイルがあります。 ハーバード方式バンクーバー方式です。


ハーバード方式は本文中の引用箇所に著者名(姓)と発行年を記述し、参考文献欄は著者名・発行年順に参考文献を記述します。

ハーバード方式の参考文献リスト



バンクーバー方式では本文での引用箇所に引用順に参考文献の連番を振り、参考文献欄に連番順に参考文献を記述します。番号は上付き文字で記載されたり、括弧で括ったりします。括弧は()であったり、[]であったりと、規定によって様々です。

バンクーバー方式の参考文献リスト

文末の参考文献リストの書き方の例

文末の参考文献リストは様々な書き方があり、分野によって概ねの傾向があったりしますが、細かい指定は雑誌によって異なります。「姓はイニシャル表記」、「共著者〇人目以降はet al」、「雑誌名はイタリック体」など雑誌ごとに投稿規定に違いがあるので、それに従って記載します。

レポートなどで参考文献リストの書き方に特に指定がない場合は、各分野の代表的なスタイルを使用するといいでしょう。レポート内のスタイルは統一する必要があります。
※投稿規定は論文、書籍、Webページなど引用するものの媒体によって必要な情報、書き方が異なるので、自動作成のソフトウェアを使用せずに手書きでおこなう場合は注意してください。


 

ここでは日本語文献で使用されることの多い、科学技術振興機構が定めたSIST 02のスタイルを例として紹介します1


雑誌中の論文
[著者名]. [論文名]. [誌名]. [出版年], [巻数], [号数], [はじめのページ-おわりのページ].
例.
山田太郎. ソフトウェアによる文献管理. ユサコ学会誌. 2021, Vol. 11, No. 2, p. 123-128.

 


書籍
[著者名]. [書名]. [版表示], [出版者], [出版年], [総ページ数],
例.
佐藤太郎. 文献管理と効率化. ユサコ出版, 1956, 180p.
※版表示は2版以降の場合のみ記述

 


Webサイト中の記事(ネット上の情報)
Webサイトは更新されたり、削除される場合があるので、いつ参照したか日付を入力する必要があります。
[著者名]. [“ウェブページの題名”]. [ウェブサイトの名称]. [更新日付]. [入手先(URL)], [(入手日付)].
例.
ユサコ株式会社. “文献管理ソフトとは?~従来の文献管理方法との比較と、文献管理ソフトを使用するメリット~”. ユサコオンラインショップ.
https://www2.usaco.co.jp/shop/pages/endnote_reference_management_software.aspx, (2021-09-29).

※更新日付は必須項目ではないが、画面に表示されている場合はなるべく記述する
※ウェブサイトの名称が著者名と同じ場合、略してもよい

 


分野別 よく使われているスタイル例

※例はEndNoteの各スタイルに対応したアウトプットスタイルを使用して作成しています

Chicago(シカゴ大学)[ハーバード方式]
人文系で使用されることが多いスタイル
https://www.chicagomanualofstyle.org/home.html
例. Usaco, Taro. "Reference Management of Usaco." Jornal of USACO 24, no. 3 (2018): 55-58.

APA(アメリカ心理学会)[ハーバード方式]
心理学系で使用されることが多いスタイル
https://apastyle.apa.org/style-grammar-guidelines/references/examples
例. Usaco, T. (2018). Reference management of USACO. Jornal of USACO, 24(3), 55-58.

MLA(アメリカ現代語学文学協会)[ハーバード方式]
人文系で使用されることが多いスタイル
https://style.mla.org/works-cited/citations-by-format/
例. Usaco, Taro. "Reference Management of Usaco." Jornal of USACO, vol. 24, no. 3, 2018, pp. 55-58.

NLM(米国国立医学図書館)[バンクーバー方式]
医学系で使用されることが多いスタイル
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK7256/
例. Usaco T. Reference management of USACO. Jornal of USACO. 2018;24(3):55-8.

IEEE(電気電子学会)[バンクーバー方式]
電気や情報工学系で使用されることが多いスタイル
https://ieeeauthorcenter.ieee.org/wp-content/uploads/IEEE-Reference-Guide.pdf
例. T. Usaco, "Reference management of USACO," Jornal of USACO, vol. 24, no. 3, pp. 55-58, 2018.

SIST02(科学技術情報流通技術基準)[ハーバード方式]
日本語文献で使用されることが多いスタイル
https://jipsti.jst.go.jp/sist/handbook/sist02_2007/main.htm
例. Usaco, Taro. Reference management of USACO. Jornal of USACO. 2018, vol. 24, no. 3, p. 55-58.

ソフトウェアを使って参考文献リストを自動作成する

スタイルごとにルールがあり、把握するだけでも時間と手間がかかります。しかし、参考文献リストはソフトウェアを使用すると、自動で作成することができます。


動画はEndNoteデスクトップ版の引用機能です



ソフトウェアを使用すると、取り込んだ文献情報をWordへ出力するだけで簡単に参考文献リストが作成できます。本文中の引用表記を削除したり、順番を入れ替えたりしても、自動的に引用番号を振りなおします。

参考文献リストの体裁を変更する場合も、スタイル名を選択するだけで変更が可能です(EndNoteデスクトップ版は7000種類以上のスタイルに対応 EndNote basicは21種類)。




無料のサービスではEndNote basicがあります。日本語対応の文献管理、論文引用に便利なフリーの文献管理Webサービスです。 メールアドレスを登録するだけで、文献管理を始めることができます。

搭載された21種類のアウトプットスタイルを使って、引用された文献の参考文献リストを自動的に投稿規定に合わせて作成可能なので、レポート等の資料作成や論文作成にも活用できます。




EndNote basicに搭載されているスタイル一覧
  • ABNT (Author-Date)
  • ABNT (Citation-Order)
  • ACS
  • Annotated
  • APA 7th
  • Author-Date
  • Chicago 17th Footnote
  • Chicago 17th Author-Date
  • Cite Them Right-Harvard
  • CSE Style Manual 8th Edition C-S
  • CSE Style Manual 8th Edition N-Y
  • IEEE
  • JAMA
  • MLA 8th
  • NLM
  • Numbered
  • RefMan (RIS) Export
  • Science
  • Turabian 9th Footnote
  • Turabian 9th Author-Date
  • Vancouver

関連

▼無料Webサービス EndNote basic
▼EndNote basicとiOSアプリでラクラク文献管理
▼EndNoteデスクトップ版

参考
1 科学技術振興機構. "参考文献の役割と書き方, 科学技術情報流通技術基準(SIST)の活用". http://jipsti.jst.go.jp/sist/pdf/SIST_booklet2011.pdf,(2020-05-08).
【参】EndNote 目次