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2025/03/06

Candida aurisにおいてTAC1b変異はCDR1の発現を上昇させ、manogepixへの感受性を低下させる

論文タイトル
TAC1b mutation in Candida auris decreases manogepix susceptibility owing to increased CDR1 expression
論文タイトル(訳)
Candida aurisにおいてTAC1b変異はCDR1の発現を上昇させ、manogepixへの感受性を低下させる
DOI
10.1128/aac.01508-24
ジャーナル名
Antimicrobial Agents and Chemotherapy
巻号
Antimicrobial Agents and Chemotherapy Vol.69 No.2
著者名(敬称略)
平山 達朗 他
所属
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 薬物治療学

抄訳

Candida aurisは、既存の抗真菌薬に対して高い耐性を示す新興の病原真菌である。一方、manogepix (MGX)はGPIアンカーの生合成を阻害することにより抗真菌活性を発揮する新規抗真菌薬であり、臨床応用が期待されている。C. aurisのMGX耐性機構を解析するため、C. aurisの臨床分離株をMGXに曝露し感受性株を作製した。低感受性株では薬剤排出ポンプCDR1の転写因子であるTAC1bのD865Nアミノ酸変異が確認された。CRISPR-Cas9システムを用いて、このアミノ酸変異を導入すると、D865N変異株は親株に比べて明らかにMGX感受性が低下し、CDR1の発現が上昇していた。さらに、CDR1欠損株を作製し、MGXに対する感受性が有意に上昇することを確認した。これらの結果より、C. aurisのTAC1b変異はCDR1の発現を上昇させ、MGXに対する感受性を低下させることが明らかとなった。

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