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2025/03/10

原発性副甲状腺機能亢進症における腫瘍体積を術前臨床データから予測する

論文タイトル
Predicting Tumor Volume in Primary Hyperparathyroidism From Preoperative Clinical Data
論文タイトル(訳)
原発性副甲状腺機能亢進症における腫瘍体積を術前臨床データから予測する
DOI
10.1210/clinem/dgae185
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻号
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 110, Issue 2, February 2025
著者名(敬称略)
中居 伴充 他
所属
東京女子医科大学 内分泌外科
著者からのひと言
原発性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺腫瘍の体積と臨床データとの相関について解析しました。臨床内分泌領域の分野で権威ある雑誌に掲載され光栄です。今後も医療における臨床上の疑問点(Clinical Question)を提示し、妥当性の高い答えを得るために、不断に学び続けます。そして細心の注意を払い論文化すること、そのプロセスを繰り返すことで身に付く態度を臨床実践の態度に繋げ、患者のために精進していきます。

抄訳

〔背景〕本研究は、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)における責任病変の腫瘍体積を術前臨床データから予測することを目的とする。PHPTの治療には副甲状腺摘出術が有効であり、術前診断には超音波検査、CT、MIBIシンチグラフィーが用いられるが、外科治療が不成功に終わることもある。責任病変のサイズと術前臨床データの関連が想定され、予測モデルも開発されているが、多数例での検討は少ない。〔方法〕2000年1月~2021年12月に当科で手術を受けたPHPT患者1106人を対象に、摘出した副甲状腺腫瘍の体積と術前臨床データの関連を多変量解析で評価した。〔結果〕腫瘍体積は術前血中intact PTH値(相関係数0.557)およびCa値(相関係数0.345)と正の相関を示した。重回帰分析では、男性、ln-PTH(intact PTHを対数変換したもの)、Ca値が腫瘍体積の有意な予測因子であり、モデルの調整済R²は0.325であった。〔結論〕術前血中intact PTH値は腫瘍体積と相関するが、正確な予測には限界があるものの、大まかな推定には活用可能である。

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