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2025/03/10

腹部肥満および心血管イベントリスクの簡便な人体計測指標としての体型指数(ABSI: a body shape index)

論文タイトル
A Body Shape Index as a Simple Anthropometric Marker of Abdominal Obesity and Risk of Cardiovascular Events
論文タイトル(訳)
腹部肥満および心血管イベントリスクの簡便な人体計測指標としての体型指数(ABSI: a body shape index)
DOI
10.1210/clinem/dgae282
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻号
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 109, Issue 12, December 2024
著者名(敬称略)
梶川 正人 東 幸仁 他
所属
広島大学病院 未来医療センター
著者からのひと言
ABSIは、体重、血管内皮機能、心血管リスク因子、および死亡率の独立した危険因子です。 さらに、ABSIは、代謝異常に関連する病態を識別する能力において、body mass index(身体重比)よりも優れています。ABSIは、臨床において、さまざまなリスクパラメータの評価や治療戦略の決定に活用できる包括的なツールとなり得ます。また、心血管イベントの有効な予測因子となり得ることが期待されます。

抄訳

A Body Shape Index(ABSI)は、心血管リスク因子と関連していることが報告されている。しかし、ABSIと心血管イベント発生率との関連についての情報はない。本研究では、FMD-Jレジストリおよび広島大学血管機能レジストリのデータベースから1,857名の対象者を抽出し、ABSIと心血管イベント(心血管疾患による死亡、非致死性急性冠症候群、非致死性脳卒中)との関連を検討した。心血管イベントを予測するためのABSIのROC曲線下面積は、BMIおよび女性のウエスト周囲径よりも優れていた。中央値41.6か月の追跡期間中に、56名が死亡(23名は心血管疾患による死亡)、16名が非致死性急性冠症候群、14名が非致死性脳卒中を発症した。主要心血管イベントの発生率は、高ABSI群において、低ABSI群に比し、有意に高値であった。多変量解析により、高ABSIは心血管イベントの独立した予測因子であることが示された。心血管リスクの評価において、ABSIの計算を実施することが推奨される。

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