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2025/03/11

RNA結合タンパク質NrdAの過剰発現によるAspergillus属糸状菌の二次代謝の変化

論文タイトル
Overexpression of the RNA-binding protein NrdA affects global gene expression and secondary metabolism in Aspergillus species
論文タイトル(訳)
RNA結合タンパク質NrdAの過剰発現によるAspergillus属糸状菌の二次代謝の変化
DOI
10.1128/msphere.00849-24
ジャーナル名
mSphere
巻号
mSphere Vol. 10 No. 2
著者名(敬称略)
門岡 千尋 二神 泰基 他
所属
鹿児島大学 農学部 附属焼酎・発酵学教育研究センター
崇城大学 生命工学部 生物生命学科
著者からのひと言
Aspergillus 属を含むチャワンタケ亜門のゲノムにおいて、nrdA 遺伝子は、クエン酸合成酵素遺伝子 citAおよびクエン酸輸送体遺伝子 yhmAと共にシンテニー領域に存在しています。私たちは白麹菌におけるクエン酸高生産機構の全容解明を目指しており、NrdAの研究を開始しました。このシンテニーに意味があるのかは未だ不明ですが、NrdAが二次代謝に関与することが明らかになりました。

抄訳

酵母において、RNA結合タンパク質Nrd1はRNA polymerase IIによる転写の終結に関与する。本研究では、Aspergillus属糸状菌においてNrdA(Nrd1のホモログ)の機能を解析し、二次代謝への関与を明らかにした。まず、白麹菌Aspergillus kawachiiにおいてRNA免疫沈降(RIP)解析を行い、NrdAがタンパク質コード遺伝子の約32%のmRNAと相互作用することが示唆された。また、NrdAの過剰発現が二次代謝に影響を及ぼすことが示唆された。そこで、モデル菌Aspergillus nidulans、病原性糸状菌Aspergillus fumigatus、黄麹菌Aspergillus oryzaeにおいてNrdAを過剰発現させた結果、ペニシリンなどの二次代謝産物の生産量が変化することが確認された。

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