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2025/04/02

DPP-4阻害薬から経口セマグルチドへの切替えによる膵β細胞機能の改善:SWITCH-SEMA2事後解析

論文タイトル
Improvement of β-Cell Function After Switching From DPP-4 Inhibitors to Oral Semaglutide: SWITCH-SEMA2 Post Hoc Analysis
論文タイトル(訳)
DPP-4阻害薬から経口セマグルチドへの切替えによる膵β細胞機能の改善:SWITCH-SEMA2事後解析
DOI
10.1210/clinem/dgae213
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻号
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 110, Issue 3, March 2025
著者名(敬称略)
野本博司 他
所属
旭川医科大学 内科学講座 内分泌・代謝・膠原病内科学分野

抄訳

DPP-4阻害薬の継続と経口セマグルチド(セマ)への切替えのいずれが膵β細胞機能に有益かを検証するために、多施設共同ランダム化比較試験SWITCH-SEMA2の事後解析を行った。DPP-4阻害薬で治療下の2型糖尿病患者で同薬を継続した群(DPP-4i群)とセマに切替えた群(セマ群)のうち、膵β細胞機能が保持された集団を対象に24週におけるHOMA2指数と膵β細胞機能指標Disposition index (DI)の変化を検討した。
DPP-4i群77名、セマ群69名が対象となり、セマ群でHOMA-2β・DIは有意に改善した(それぞれP=0.001, P<0.001)。セマ群におけるDIの改善はBMI・HbA1c・脂肪性肝疾患の指標であるFatty liver index(FLI)と有意に相関し、多変量解析ではセマ投与量(7mg/日以上)・FLIの改善・メトホルミンの不使用が、DI改善に対する独立した因子であった。
【結語】DPP-4阻害薬からセマへの切替えは膵β細胞機能を改善させ、この作用は肝臓と膵β細胞の臓器間クロストークを介している可能性が示唆された。

 

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