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2025/05/12

ヘビから分離されたPsychrobacter sp. GTC18467の完全長ゲノム配列

論文タイトル
Complete genome sequence of Psychrobacter sp. GTC18467 isolated from snake in Japan
論文タイトル(訳)
ヘビから分離されたPsychrobacter sp. GTC18467の完全長ゲノム配列
DOI
10.1128/mra.00340-25
ジャーナル名
Microbiology Resource Announcements
巻号
Microbiology Resource Announcements Ahead of Print
著者名(敬称略)
林 将大 他
所属
岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 糖鎖分子科学研究センター 嫌気性菌研究分野
岐阜大学 高等研究院 微生物遺伝資源保存センター(GCMR)
著者からのひと言
ペット動物を取り巻く細菌について把握することは、病原性のメカニズムおよび人獣共通感染症のリスクを理解する上で重要である。本報は動物から分離された未知の細菌における病原性の解明に資する一報と考える。本株は岐阜大学微生物遺伝資源保存センター(https://gcmr.guias.gifu-u.ac.jp)にて入手が可能である。

抄訳

Psychrobacter 属は、Moraxellaceae 科に属する好気性のグラム陰性菌である。本菌群は環境中に広く存在し、一部の菌種はヒトへの病原性についても報告されている。
本論文では、2024年に岐阜県内で飼育されているニシキヘビの体表から分離された後、種レベルでの同定不能株として保存されてたPsychrobacter sp. GTC18467株について完全長ゲノムを決定した。ロングリードおよびショートリードを組み合わせて解析した結果、Psychrobacter sp. GTC18467株のゲノムは2,642,444 bp の環状染色体および3個のプラスミドで構成されていた。16S rRNA遺伝子配列を用いた系統解析の結果、最も近縁な菌種はPsychrobacter ciconiae であり、97.4 %の類似度を示していた。全ゲノム配列に基づく類縁菌種との比較解析の結果、本株はPsychrobacter の新種である可能性が示唆された。

 

 

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