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2025/05/15

腸内細菌共通抗原フリッパーゼWzxEは酸性環境、低温環境、高浸透圧環境における大腸菌の増殖に必要である

論文タイトル
Enterobacterial common antigen repeat-unit flippase WzxE is required for Escherichia coli growth under acidic conditions, low temperature, and high osmotic stress conditions
論文タイトル(訳)
腸内細菌共通抗原フリッパーゼWzxEは酸性環境、低温環境、高浸透圧環境における大腸菌の増殖に必要である
DOI
10.1128/aem.02595-24
ジャーナル名
Applied and Environmental Microbiology
巻号
Applied and Environmental Microbiology Ahead of Print
著者名(敬称略)
山口 咲季 垣内 力 他
所属
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・分子生物学分野
著者からのひと言
腸内細菌共通抗原(ECA)の生理的な役割は、十分には明らかになっていません。本研究では、ECAの合成過程が大腸菌のストレス耐性に重要な役割を果たすことを見出しました。

抄訳

腸内細菌に保存されている多糖類である腸内細菌共通抗原(ECA)のストレス耐性における役割は不明である。脂質結合型 ECA 繰り返し単位はECAフリッパーゼWzxEによって内膜を透過させられた後、ECAとなる。本研究では、ECAフリッパーゼWzxEの欠損株が酸性環境、低温環境、高浸透圧環境に対してコラン酸依存的に感受性を示すことを明らかにした。この結果は、脂質結合型 ECA 繰り返し単位が、コラン酸依存的に大腸菌の酸性環境、低温環境、高浸透圧環境に対する感受性を引き起こすことを示唆している。脂質結合型 ECA 繰り返し単位が WzxE と脂質結合型コラン酸繰り返し単位のフリッパーゼの両方によって内膜を透過させられる知見を考慮すると、WzxE欠損株の表現型のコラン酸依存性は、ストレス条件下で大量に産生されたコラン酸が脂質結合型コラン酸繰り返し単位のフリッパーゼを占有し、その結果、内膜上に脂質結合型 ECA 繰り返し単位が蓄積するモデルを提示している。

 

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