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2025/10/16

結晶材料中のスピンと軌道がもつれ合う4f電子の可視化

論文タイトル
Visualization of spin–orbit-entangled 4f electrons in crystalline materials
論文タイトル(訳)
結晶材料中のスピンと軌道がもつれ合う4f電子の可視化
DOI
10.1073/pnas.2500251122
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
Proceedings of the National Academy of Sciences Vol.122 No.41 e2500251122
著者名(敬称略)
鬼頭 俊介 他
所属
東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻物質系専攻 物性・光科学講座 有馬・徳永研究室
著者からのひと言
物質中における価電子の分布は物性を決める「設計図」のようなものです。今回の研究において、4f電子を直接観測できるようになったことは、磁石や蛍光体の高性能化、量子コンピュータやスピントロニクス素子の開発など、次世代技術の基盤に大きなインパクトを与える成果です。

抄訳

ランタノイドにおける4f電子の異方的な空間分布は、磁性から量子現象に至るまで、さまざまな材料特性を支配する上で重要な役割を担っている。しかし、その顕著な異方性と微弱な信号ゆえに、4f電子の可視化は長らく大きな課題とされてきた。本研究では、高エネルギーX線回折と独自に開発した価電子密度解析を組み合わせた革新的アプローチを導入することで、パイロクロア酸化物中における4f電子分布の直接観測を実現した。この成果は、4f電子の本質的な性質を明らかにするだけでなく、幅広い物質系における4f電子の役割を探求する新たな道を開き、材料科学の革新へとつながるものである。

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