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2025/11/11

セフィデロコルおよびアズトレオナムとセフタジジム・アビバクタムの併用に耐性を示すStenotrophomonas maltophilia TUM26315血流感染症株のドラフトゲノム塩基配列

論文タイトル
Draft genome sequence of Stenotrophomonas maltophilia strain TUM26315, a bloodstream isolate resistant to cefiderocol and to aztreonam combined with ceftazidime-avibactam
論文タイトル(訳)
セフィデロコルおよびアズトレオナムとセフタジジム・アビバクタムの併用に耐性を示すStenotrophomonas maltophilia TUM26315血流感染症株のドラフトゲノム塩基配列
DOI
10.1128/mra.00949-25
ジャーナル名
Microbiology Resource Announcements
巻号
Microbiology Resource Announcements Ahead of Print
著者名(敬称略)
酒匂 崇史, 原田 壮平 他
所属
虎の門病院 臨床感染症科, 東邦大学 医学部 微生物・感染症学講座
著者からのひと言
TUM26315株はセフィデロコルの承認前に検出された菌株であるにもかかわらず、鉄トランスポーター遺伝子の変異を伴い、セフィデロコルに耐性となっていた。さらに、耐性機序は明確ではないもののアズトレオナムとセフタジジム・アビバクタムの併用にも耐性を示していたことは、治療薬の選択肢が乏しいという点で注目される。このような高度耐性を有する菌株の今後の疫学動向を注視する必要がある。

抄訳

以前の研究でセフィデロコル承認前に国内単施設で収集されたStenotrophomonas maltophilia血流感染症株146株のうち1株(TUM26315)がセフィデロコルに高度耐性を示したため、ドラフトゲノム解析を行った。TUM26315株はgenomic group 6に属し、鉄トランスポーター遺伝子であるcirAの未成熟終止コドン生成を伴うフレームシフト変異が認められた。また、追加で実施したアズトレオナム+セフタジジム・アビバクタムの薬剤感受性試験で耐性を示したが、染色体性のβ-ラクタマーゼ遺伝子の塩基配列は一般的なものであった(blaL1B, blaL2B)。

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