抄訳
本研究では、カルバペネム耐性Pseudomonas aeruginosa(CR-Pa)および Acinetobacter baumannii(CR-Ab)を用いて人工呼吸器関連肺炎(VAP)マウスモデルを構築し、新規抗菌薬であるセフィデロコルの有効性を評価した。セフィデロコルの投与設計は薬物動態解析に基づき、血中遊離薬物濃度が各菌の最小発育阻止濃度(MIC)を上回る時間(fT>MIC)を指標とした。fT>MIC 70%で投与量を設定した場合、CR-Ab感染VAPモデルでは生存率の改善および肺内菌量の有意な減少が認められた。一方、CR-Pa感染VAPモデルでは同条件で十分な殺菌効果は得られず、fT>MIC 90%以上で明確な菌量減少が確認された。本研究は、原因菌によって必要なセフィデロコル投与量が異なる可能性を示し、PK/PDに基づく合理的な治療戦略構築に重要な知見を提供する。