抄訳
本報告は、水生植物ヨシ(Phragmites australis)の根圏から、微小液滴であるwater-in-oil dropletを用いたドロップレット培養法により分離された Dongia 属細菌 agr-C8 株のドラフトゲノム配列を提示する。霞ヶ浦に生息するヨシの根圏試料からドロップレット培養法により単離された菌株について、DNBSEQ-T7 (MGI Tech)を用いて全ゲノムシーケンスを行い、SPAdesによりアセンブルを実施した。その結果、ゲノムサイズは約559万bp、G+C含量は66.0%と同定され、3個のrRNA遺伝子と53個のtRNA遺伝子を保有することが予測された。また、本菌株の16S rRNA遺伝子配列は、最近縁種である Dongia mobilis との相同性が95.63%と低いことから、新規系統である可能性が示唆された。さらに、本菌株は硫黄代謝に関連する複数の遺伝子を保有しており、硫黄含有汚染物質等の分解への関与が期待される。