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2026/01/30

基底側からの静水圧はがん細胞の増殖促進、運動亢進、細胞極性の変化を引き起こすー腫瘍微小環境の間質圧亢進モデルー

論文タイトル
Hydrostatic pressure from basal side promotes cancer proliferation, enhances migration, and alters cell polarity: A model of the effects of interstitial fluid pressure in tumor microenvironment
論文タイトル(訳)
基底側からの静水圧はがん細胞の増殖促進、運動亢進、細胞極性の変化を引き起こすー腫瘍微小環境の間質圧亢進モデルー
DOI
10.1091/mbc.E25-05-0261
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell
巻号
Molecular Biology of the Cell Vol. 37, No. 1
著者名(敬称略)
尾ノ井 恵佑 徳田 深作 他
所属
京都府立医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学
著者からのひと言
本研究ではがん細胞に基底側から圧力を加えるために数mmの培地の水面の差による静水圧を利用しており、このわずかな圧力が細胞の様々な形質を劇的に変化させることが分かりました。特に細胞運動は圧力を加えた直後から変化が認められ、上皮シート内で細胞が活発に動き回る様子(Movie S10など)には著者らも驚かされました。今後メカニズムの解明が進めば将来的にがんの新しい治療につながる可能性もあると考えています。

抄訳

腫瘍微小環境は腫瘍の発生や進行を促進することが知られている。腫瘍微小環境内の間質の圧力はほとんどすべての固形腫瘍で上昇しており、物理的な圧力は細胞増殖など様々ながん細胞の機能に影響を及ぼすことが報告されている。しかし、これまでの研究では圧力の方向性は考慮されておらず、腫瘍微小環境における物理的な圧力が果たす役割は未だによく分かっていなかった。そこで我々はトランスウェル膜上に培養した肺癌細胞に基底側から静水圧を加える間質圧亢進モデルを考案し、圧力が及ぼす影響を検討した。その結果、基底側からの圧力は細胞運動、極性、増殖、細胞死など様々な形質を変化させ、上皮の重層化を引き起こすことが明らかになった。腫瘍微小環境内の物理的な圧力はがんの進行に有利となる様々な形質をがん細胞に与え、がん細胞生物学おいて重要な役割を果たしていると考えられた。

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